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OldなJazzのルーズな日々


2005-09-01 音楽

Clarence WilliamsCWillams

1923年録音の復刻版。ジャケット写真の右に写っているのが若い頃のSidney Bechetで、左に写っている人の良さそうなおじさん(?)がClarence Willamsです。この人知っている人は非常に少ないでしょう。私も知らないでいたのですが、Bessie Smithを追いかけて行ったら見つけました。。。というかぶつかった、というのが正しいか。1989年から1965年まで生きたピアノ、コンポーザ・アレンジャーで、生涯で400曲以上の曲を吹き込んでいるそうです。Bechetは一つ上で1959年没ですが、モダンな人もSopranoSaxの名手として良く知られていると思います。Bechetについてはまた後程。Willams自身はOldJazzのMusicianですが当時は大変な実力者人気者で、また新人の世話をして人材を多く世に送り出した人でもあります。

しかし第2次世界大戦後全く現役から身を引いて隠遁して、いつのまにか忘れられてしまいました。OldJazzファンでもあまり知られていないし話題にも上らない人です。復刻版のCDで網羅しただけで10枚以上の作品が残っておりそれだけ影響力のあった人ですが実はこういった人は他にも大勢います。マジメにJazzをやるのならこういった音楽はもっと聴かないと(退屈だが)いかんと思います。現実に今のJazzは行き詰まってますが、これは色々な意味でOldな時代にあった大切なものを忘れて捨ててしまった事に原因があると思われるわけです。


2005-09-02 音楽

ビンテージ楽器のキーG#Keys

写真はとても珍しい世界的にも中々見られない比較写真です。よくみましょう。(笑)

これはビンテージのAlto SaxのG#キーを取り外して比べたもので、いかにBuescherの左手キーが使いづらいかを示したものです。右からMartinステンシル(1925年前後)、Buescher10万番台、Buescher25万番台のキーです。上が指で押さえるところ(テコの原理の力点)キー下部の出張っているのがG#のキーカップを引っ掛けて押し上げる部分(作用点)です。軸が支点となります。テコの原理によりキーの重さは軸と力点である押さえる部分との距離に比例します。写真見ての通り、Buescherのキーは支点とキーの力点が近い事が分かります。25万番台は1931-2年頃の楽器ですが、これでも古いMartinにくらべてようやく同じ位の距離になっているかどうかです。それでもキーの作りから指の当たる位置が軸に近いのでキーの中央を押さえると支点との距離は殆ど10万番台時代と変わりません。それだけG#の左小指への圧力が強くキーが押さえ辛いわけです。これは速いパッセージを演奏する時にハンディとなります。同時代のHoltonも吹いた事ありますがキーの構造・重さについてMartinと同じでした。ビンテージ楽器の中でもこの点は特に弱点であります。パーカーはMartinもHoltonもConnも使いましたがこの時代のBuescherを使った形跡がありません。OminiBookのパーカーフレーズを吹いてみると他の楽器に比べて小指への負担が身にしみて感じられます。パーカーはそれもあってBuescherを避けていたのであ無いか、と考えている次第です。(それでもオレはBuescherを使うぞ)

補足

Selmerも初期の頃、Balanced Actionシリーズ以前はBuescherと同じpinkyキーがG#に使われていました。現物を見た事がないのでキーのステムの長さがどれ位あるかは不明です。

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mari [きゃー。ためさんすごい。 こんな才能おもちだったのねー でも勉強になります。。。 ]

ためすけ [わーおどろいたmariちゃんだ。ところでmariちゃんのメールアドレスってあるんだっけ? ]


2005-09-03 楽器

Buescher All Startsbuesalls

ためすけが古Jazzにハマった理由の一つにBuescherのSaxがあったわけですがそれに関連して古い広告集めも同時にやっています。これも最近eBayより入手しました1948年ダウンビート誌に載ったBuescherの広告です。Buescherの楽器を使っているMusicianたちを紹介しています。Tpも少し混じってますが大部分Saxプレイヤです。非常に有名な人もいますが、結構知らない人が多いですね。(笑) 左上のJohnny Hodgesはあまりにも有名。他にEllington楽団の団員はまあ当たり前として、Tab SmithがBuescher使いとは始めて知りました。TabはBessie楽団のAltoですが C.BassieとEllingtonはサウンド的にもアレンジもかなり異なったスタイルなのでちょと意外。ずっとBusescherなのか、はっきりしませんが、今度マジメに聴いてみようと思っています。ちょと気になるのはLouis Armstrongの処のJoe Garlandです。サッチモ=デキシーと思われていますがBigBandでSwingも結構長くやっていました。そこでTenorをやっていたのがJoeです。これはこれで中々興味深い事なのでまた後程。


2005-09-04 音楽

Big Band BOXbigbox

とにかくいろいろ聴きたくていきなりBOXで購入。40枚組だからさぞかしでかいハコかと思ったら1ケース2枚づつで計20ケース。たいした大きさではありませんでした。このCD集で聴きたかったのは特にSaxの音で、時代的にはSelmerが幅を利かせる前のSAXセクションの音がどんなものであったかを確かめたかったのが理由です。収録バンドは、

Duke Ellington,Count Basie,Benny Goodman,Glenn Miller,Tommy Dorsey,Harry James,Artie Shaw,Woody Herrman,Cab Calloway,Gene Krupa,Stan Kenton,Chick Webb,Jimmie Lunceford,Erskine Hawkins,Fletcher Henderson,Charlie Barnet,Benny Carter,Bunny Berigan,Louis Armstrong,Dizzy Gillespie,Lionel Hampton

これだけの種類のバンドを並べて聴き比べるというのも始めてだし、Jazz好きでもあんまりやっていなのではないか?。大変参考になりました。

一通り聴いて感じた事。大きく分けて白人系/黒人系のバンドがありますが、まあアレンジや録音品質の違いもあるけれど、黒人系バンドの方が概ねSaxセクションの音がソフトでキュートという感じです。アレンジの傾向にも違いがある様です。黒人系のバンドはSaxセクションをハーモニー重視のゴスペルクワイヤの様に使う傾向があると感じます。白人系は音はシャープですがバンドとしてのドライブ感やインパクト重視、何となくキビシいという感じがあります。

Ellington楽団のHodgesの音を参考にすると同系の音が他のバンドでも聴く事が出来、という事はこの時代Buescherを使っているバンド/プレイヤがもっといるぞ、という推測です。これでまた音とCDライナーのメンバーリストを元にBuescherプレイヤ探しをする事に相成るというわけです。

追記:

http://www.midi.co.jp/~tamesuke/data/KrupaList.txt  にtab区切りで入れました。読めますでしょうか。

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辻本 [勝手なお願いですがbig band boxno.19のジーン・クルーパの各トラックの曲名を教えてもらえませんか?]


2005-09-05 音楽

BIX and TRAM - Frankie Trumbauer tram

Jazz史上ではとっても重要な人です。ジャケット下の写真。ちょと気取った感じの人がFrankie Trumbauerです。

一緒の写真がBix Beiderbeckー伝説のコルネットです。Bixの名前はちょとだけ油井正一さんのお気に入りという事で知っていたのですが、Frankieは同時代同スタイルのSax奏者でものすごいプレイヤーです。珍しくC-Melody Saxをメインに吹いていた人で、C-Meloを手に入れたのを機会にCDを探して回ってブチ当たりました。(聴いてひっくり返った)Bixと一緒にやっていた事が多かった様ですが、Bixが伝説のJazzプレイヤーらしく名人で自堕落、短命、とは対照的に真面目で優秀で長生きしたプレイヤだったために忘れ去られてしまったのだと思われます。近年(1990年代入ってからですが)再評価されて、これまた多量なCDが復刻されています。本当にテクニシャンで、また、演奏しているフレーズが非常にモダン/コンテンポラリなのでした。レスターヤングがTrumのレコードを多数持っていて参考にしていたそうです。パーカーの参考にしたレスターがさらに模範にしたプレイヤーです。実際に演奏を聴いてみてJazzでSaxやっていたらこれ知ってなきゃウソだろう、という重要なプレイヤなのですが、この人もまた戦後引退してしまってそれっきり長年忘れ去られていた人ですね。どうー考えてもおかしいのはBixはずっと聴き続けられており、当然一緒にTrumの演奏も聴けたはずなのに「ただのSax吹き」としてしか扱われてないのは不可解ですね。本当に世の批評家は何を聴いているのかな。


2005-09-06 音楽

Sidney Bechet bechet

SopranoSaxの先駆者、というべきプレイヤですね。SopranoはSwing以前のOldJazzでは結構使われていたのですが、Swing時代のグレンミラー、ベニーグッドマンの人気のおかげでクラリネットに押されてマイナーな楽器となってしまいました。Bechet自身はクラリネットもやるしAltoも吹くのでまあその折々の音楽に合わせた事をやっていた様ではあります。詳しい事はもっとCD聴いて確かめたいと思ってます。(まだ1930年代くらいまでしか聴き込んでないので、これから聴きます。)

このCDはBechetの初期の作品を集めたものですが録音が1923年からいきなり1931年に飛ぶのです。これは何故かというとこの人その間ヨーロッパ遠征(放浪?)していたのです。ロシアやウクライナでJazzを演奏した始めてのミュージシャンだとライナーに書いてあります。実際はフランス(だったかなドイツだったかな)で傷害事件に巻き込まれて捕らまっていた時もあったそうです。結構紆余曲折があったみたい。

奏法としては実はこの時代の特有のVibratoのキツい演奏が耳に付いてしまいます。特にSopranoだと音域の関係か結構キビシいものがあります。古Jazzの特有の奏法なのですがこれがクサくて聴いてられんという意見もあるかと思います。この点に関しては古Jazz好きの私でも正直認めます。しかし、クサさを除いてフレージングやテクニックを聴いても十分音楽的に参考になり、良いものを持っています。それに忘れちゃならない、Buescher使いであります。


2005-09-07 楽器

パッドbuescher-pad

Buescherで使われているSnap In Resonator用のパッド。真ん中に穴が開いていて金属で裏打ちされています。左にあるのがVintage楽器から取り外したものでおそらくオリジナル。右が現在製造されているもので、Music Medicから取り寄せたものです。見て通り昔のパッドは皮を糸で縫って止めてあります。現在のパッドは絞ってのり付けですね。高級と言われるシャヌーのパッドものり付けでしたので、これが現代の作り方かと。Buescherのパッドについてはシェラックで接着するのではないので糸で縫ったものの方が良いのではないかなぁ、とも思います。また、裏の金属が昔のパッドの方が薄くて弾力がある様でした。現在のパッドは金属が厚くて硬いです。しかしBuescherでもリペア出すとパッドはシェラックで止めるのが現在では普通の様ですのであまり関係ないのかもしれませんが。

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mari [へーー。。。のり付け。。。 ]

ためすけ [ノリといってもヤマトノリではありません。(^^;)まあ接着剤です。 ]


2005-09-08 Mac

iTunes 5画像の説明

New iPodの登場と同時にiTunesが新しくなりました。機能が増えたらしいので早速ダウン。ウィンドウデザインが全体にのっぺりした感じになりまして、これ気持ち悪いと言う人もいる様ですね。確かに、無機的でつまらないと感じました。

色々機能追加になってます。検索バーとプレイリストのフォルダが便利でしょうか。他にも歌詞機能が付いたとか、どうやるんだろう。。。。

ところでためすけのiPodは3800曲も入って9Gくらいしか使っていません。倍近く入ってます。何故か?これは入れている曲が古Jazzばっかりで大部分モノラル音源ですので1曲のデータが半分程度なんです。ただデフォルトの設定の読み込みではモノラルでも2ch分のデータを消費する様でデータは小さくならない様です。カスタムの設定でモノラル指定で読込みさせています。


2005-09-09 音楽

Ma Rainey 1924-1925

画像の説明 Ma RaineyのコンプリートシリーズのVol.2 なんでVol.1じゃない?Vol1も欲しかったのですがAmazonで品切れだったからです。折をみて注文したいと思います。 25曲入ってますが重複テイクもあるので全17曲です。前半が1924年NewYorkでの録音でサイドマン、と言いますかサポートメンバでLous Armstrong,Fletcher Henderson,らが入ってます。後半がChicago録音ですがサポートバンドが、、、知らない。Kazoo等も入っていますがクレジットではUnKnownだそうです。地元バンドでしょうか。バンド名は一応あって、サッチモが入っているのが Her Geogia Jazz Band,後半がただのGeogia Band、、、、んー何かテキトー。 音楽はどちらもその当時としてはフル編成?のBandでニューオリンズスタイルの古いJazzです。テンポはゆっくり。New Yorkの方が演奏が垢抜けてます。Chicago の録音はSlide WhistleやKazooなど入って素朴なJugバンド的な雰囲気でもあります。でも本当にChicagoのバンドは演奏がヘタ。まあこのユルさとヘタさ加減が本当に好き勝手にやっているなという感じでとてもヨイのですが。15曲目の Goodby Daddy Bluesが面白いです。 全部ですが、曲名にやたら"Blues"が付いてきています。Bluesが付くからと言ってBlues進行とは限らず変形循環進行の曲などもあります。どうも'Blues'の意味がかなり違うなという気がしています。この事は他の演奏も良く聴いて考察していきたいと思います。
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Juana [There's a terrific amount of knowledge in this aritlce!]


2005-09-10 音楽

Bluesセッション

月一回の地元のBluesセッション。第2土曜日なので中々出られなかったけれど今日は時間があったので久しぶりに参加してみた。コンセプトがBluesを知らない高校生にBluesを仕込む会、になっていたらしい。おっどろいた事に2、3ヶ月前までBluesフレーズなど弾けない(実際は知らなかった、のでしょうが)高校生がちゃんとBluesフレーズが弾ける様になっている。歌の課題曲もあって一人一曲持ち歌を歌っていたのもたいしたものです。本当に若い子の吸収力はすごいです。ちょとおかしかったのは歌っていて「Hoochie Coochie Man ってどういう意味ですか」辞書を引いても出てなかったとの事。出てないだろうなあ。

Bluesといっても当然Bessie Smithなんぞは出てない50年代以降のものに限られますが。合わせてThe Chiken などやってみたけれど最近この手のUpperな曲には気持ち的に中々ついて行けないなぁ。もっとユルく行きたいのですが。

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あおきば [この頃、仕込まれた一人です。 自分は細々とBluesしておりますが、周りのみんなはやってないようで少し寂しいですね..]

ためすけ [だいぶ昔の事だったっけね・・・]


2005-09-11 ミュージシャン

Cab Callowayminnie

日本ではJazzというよりもBluesのMusicianとして扱われている事が多い様です。1930年ころからしぬまでハイデホーし続けた人です。生涯スタイルを変えないというのはとても立派な事だと思います。

Big Band Boxの中の一枚で、BOXサブタイトルが1929-1947 Big Band EraとありますがこのCDの録音は1940-1942年に限られています。TenorにChu Berryが入ったNewYorkの時代の録音です。Saxセクションの響きがとても柔らかで優しく、Callowayのオフザケの印象とは全く異なるサウンドで気に入ってしまいました。

さてこの中のCD2の3曲目が Willow Weep For Meで、Altoのソロが入っているのですが、音を聞いてびっくり。何だこの音は? Hodgesと似ているがちょと違うSoftでSweetな音。高域の独特の響きから楽器はBuescherか? 演奏者が Hilton Jeffersonという聞いた事の無い人でしたがBuescherプレイヤだろうと考えて追跡を始めました。本当にそうかまだ仮説です。もしかして結論出ないかもしれないけど。追跡の経緯は追々。


2005-09-12 楽器

奏法saxplayer

ニューオリンズ風レトロなJazzBand人形では、大抵Saxプレイヤーは頬をふくらませて吹いています。これはこれで「Sax吹いてるぞー」という雰囲気で良いのですが実際にはこの様な奏法は勧められていません。ホッペタはふくらますな!というのが一般的です。しかし、じゃあ絶対にこんな奏法ウソだよとは、また言えない。映像見ても頬をふくらますプレイヤも時々見かけます。ローランドカークなどふくらましてますね。まああの人は一度に3本もくわえるから特殊な例かもしれないけど。Saxを吹く時は本当は頬じゃなくて喉を広げるのが正しい奏法です。息の量とスピードをコントロールするのに肺や横隔膜・腹筋だけではしんどいので何処かに緩衝装置がいるわけで、それが喉であったりするわけです。

では自分はどうかというと実は頬が膨らんでいます。(^^;) 昔は膨らましてなかったのですが、首の手術をして首の筋肉を切って縫合してから筋肉が硬化し喉を広げる事が出来なくなってしまったので、それ以来お人形さんと同じ奏法になってしまいました。Fluteを吹くには支障無かったのですがSaxには首の筋肉は重要なポイントの様です。ネクタイで襟裳を絞めただけでも随分吹きづらくなりますね。


2005-09-14 音楽

ORIGINAL DIXIELAND JAZZ BANDorigdixi

世界で最初のJazzのレコードです。1917年〜1923年までの録音が入ってます。場所はNew York、メンバーは白人です。正確には最初の頃1918年までは'ORIGINAL DIXIELAN JASS BAND'という名称でした。'JAZZ'という名称になったのは1920年の録音からです。写真にもありますが、編成の中にバンジョーが入っていません。DIXIELAND JAZZの最初の録音でバンジョーが無いというのは面白いと思いました。

演奏は思いの外タイト、です。かなりカッチリしてキレが良いです。全体にルーズな感じがあまりありません。現在のORIGINAL DIXIELAND JAZZ BANDに通じるものがあります。また、太鼓のドカドカした音が意外と強い様で、この後の時代に録音された黒人系のBlues等とくらべるとマーチングバンド的な色彩が強いと感じられます。(もしかしたらピアノの低音かもしれないがうまく聞き取れない・・・)こんな時代でもちゃんと2拍3連のリズムも聞けたりしてなるほどオリジナルだな。それと1917年の最初の録音2曲が結構音が良い。その後の方が録音の程度が悪いのは何ででしょうね。。。


2005-09-15 楽器

Gold Neckgoldneck

Buescher True Tone Alto のネックをメッキしてもらいました。最初に入手した25万番台の楽器のネックです。Gold Plateしました。入手時Silverだったものがだいぶ剥げて来てしまっており、錆びが浮いてきたのでメッキしたものです。入手時から抵抗感がなく、他の楽器で何とも無いリード・マウスピースの同じセッティングでも、このネックの場合だけリードミスが頻発するので、どうにかしたいと思っていた処でもあったのでした。写真の色はピンクっぽい色ですが実際は普通の24KPlateです。

結果ですが、抵抗感が増えてリードミスが無くなり音の反応も良くなりました。鳴りは若干押さえられた感じですが、音の輪郭がボケないので気持ち良いです。他のTrueToneにも流用できるので音のバリエーションが増やせるか。いろいろ使えそうです。


2005-09-16 音楽

Satchmo - A Musical Autobiography 画像の説明

iTunesストアからは買わんつもりでいたのだけど、BOX版が安い!という話につられて買ってしまいました。

内容はサッチモの自叙伝です。99曲入ってるとあるのですが正確には曲ではなく99トラックでして、半分はサッチモの1分程度のおしゃべりなのでした。音楽としては半分です。思い出の曲?と曲にまつわる当時のお話しがが交互に入ってます。ホンモノはCD3枚のBOX(って言えるかな。。。)当然iTinesストアなので解説なし、サッチモのお話しは英語ですからぁ。。。。何話しているか殆ど分かりません。iTunesストアですからお話も音楽も同じ¥150、間違って買ってしまった人は・・・

演奏はCD作成時期の新録音(っていつなんだか?)なので聞きやすいのですが、プレイヤが誰だか分かりません。場合によっては演奏のモダン過ぎるのもちょと難ありか。「なんだこれ」って感じのもあります。Ma Raineyの歌なんてきれい過ぎでちょと変でした。


2005-09-17 音楽

Mamie Smith 1920-1921

1920 Febから1921 Augまでの録音が納められています。3曲目"Crazy Blues"は世界初African-American女性ボーカルのBlues録音です。※Bluesという曲名ではORIGINAL DIXILAND JASS BANDが1917にインスト"Barnyard Blues"という曲を吹込んでいます。

この録音では「Blues」というわりには結構にぎやかな演奏です。Mamie自身はVaudevilleー黒人を対象にした演芸場の様な場ーの付属シンガーで、元はダンサー。バックも演芸場の楽団という構成になっている様です。編成がODJBと同じくピアノは入っていますがバンジョーは無し、またバイオリンが入るという構成になっています。

演奏は同時代のODJBと比較すると非常に興味深いです。本当に「ごちゃごちゃ」という雰囲気。音楽自体ルーズで白人のDIXIEに比べるといいかげんな感じがします。楽器の数は多いのですが残念な事に演奏技術は低いと思われます。しかしこの「何でもあり」な雰囲気が本当の黒人の音楽の持ち味なのだと思います。ためすけは、音楽性の追求なんぞより「音出してりゃええじゃろ」的な一種の居直りがJazz/Bluesの本質であると考えています。またBluesとJazzの違いは何じゃ、という件もありますので追々考察していきましょう。

※補足

Blues-Songとして1890年代の録音があるのですが歌っているのは男性の様です。だだ今CD取り寄せ中。詳細は後程。


2005-09-18 音楽

Salsa Jazz

久々にアフロ村松のユニットが地元へ来てくれたので聴きに行って来ました。何故か村松君のユニットは毎回メンバーが違うのですが、まあその辺はご愛嬌という事で(笑)

今回フロントはAlto Saxでその方面では有名な方だそうです。よく知らなかった。すいません。ずーと聴いていて、艶のある音だなぁ、セルマーだけどラッカーの色が何か違うな、照明のせいかな、、、と後で楽器を見せてもらったら、本当にSelmer MarkVI Gold Platedでした。びっくり。 加塩人嗣さん です。wwwにはさりげなく"gold plated"とありました。(^^;) 久々に気持ちの良い歌うSaxを聴かせて頂きました。wwwに掲載されている HOW TO PRACTICEは参考になります。


2005-09-19 音楽

Jimmy Dorsey 1935jimmy

Jimmy Dorsey Orchestra の1935年の録音です。Transcriptions Sessions という副題が付いています。放送用に録音されていた録音の様で、当時としては珍しい33-1/3回転のレコーディングです。そのためすばらしく音が良いです。33回転LPは1930年頃からは発売されていた様ですが、何でも人気がなかったそうです。78回転レコードの普及が大きかったためかと思います。1930年代のリリースのレコードは大部分SPだった模様です。1935年の復刻版CDを聴いてみると元がSPですので音質は著しく悪いものしかありません。その点この録音はモノラルですが、33回転ダイレクトカッティングですから現代の録音に比べて遜色ありません。1935年当時のBig Bandの音をそのまま聴く事ができます。

このCDはJazzをやる人は聴いておくべきですね。「白っぽい」Jazzではありますが一般的な4Beat Swingだけでなく、ラテンのThe Peanut Vendorなど、音楽的なスタイルや手法など現代に通じます。JimmyDorseyのソロもすごいです。20曲目、"Beebe"など、パーカーが登場する5年前ですがパーカー前のスタイルでここまで見事なソロを演奏したプレイヤーがいた事は覚えておかなきゃならんでしょう。


2005-09-20 楽器

Jimmy Dorsey Model

つづきです。Jimmy DorseyはSelmer使いですが、VintageSaxで超有名なSelmer Blanced Action...1936年から製造... は嫌いだったそうです。余程嫌っていたらしく、自分のバンドの為にわざわざフランスセルマーに特別モデルを作らせたそうです。 原典はSaxPicsより元のモデルはSuperシリーズだった模様です。このモデルを真似たJimmy Dorseyモデルと言う超レアモデルがあるそうです。 1935年の写真はベルキーの位置からBA以前のモデルでしょう。これがJimmy Dorseyモデルであるかは??ですが。 1935年の録音を聴いてもSaxセクションの音は現代のものとは異なっていると感じられます。柔らかい、昔のBuescherやCONNに通じるものがあると思います。またSaxPicsで見る事のできるBA以前のモデルはG#キーが小さなpinkyキーになっています。Buescher TrueToneに近い構造に見えるのですが、キーアクションがどうだったかは現物に触れる機会が無いので不明です。

2005-09-21 ミュージシャン

Eddie Barefield画像の説明

写真はeBayからBuescherの広告を集めていて、偶然手に入れたものです。古いキリヌキ広告を落札した時に、出品者がBuescher集めしていると気を利かせてオマケで付けてくれたものなのですが、これは発見でした。

Cab Calloway楽団のSaxプレイヤーにEddie Barefieldという人がいました。この人はずーーっとBuescherプレイヤーだったそうです。履歴も書いてありますね。Paul Whiteman,Don Redmond,Fletcher Henderson、、、んーWhitemanは白人だけど黒人メンバを入れていた時があるのかな?これはこれでまた調べなくては。Henderson楽団はやはりSaxセクションの音色が柔らかく、好きなバンドであったのですが、これでまた一つSaxの音色とBuescherの楽器の関連性が裏付けられました。もちろんセクション全部がBuescherであったという証拠にはなりません。が、BarefieldはTop Altoを受け持った場合が多い様です。BigBnadをやった経験からTopAltoの音色はSection全体の響きをかなり特長付けるもので、楽器としての音色への影響は大きいものと考えられます。

また、Eddie Barefieldの経歴を調べたところ他にも色々なバンドに所属しておりBuescher使いとして重要と考えられ、同時にBenny Goodman , Glenn Millerや Jimmy Dorsey(!)のアレンジャーとしても活躍したそうでこれは押さえておかなければならん人と思います。


2005-09-22

King Oliverkingoliver

King Oliver and His Creole Jazz Band です。1923年の録音で、これがKing Oliverの最初の録音でしょうか。。。。サッチモが有名になるきっかけとなったバンドでもあります。バンド名に"Creole"という名称が付いている処がミソです。Creoleは一般には白人と黒人との混血を意味しますが、ここでの意味はルイジアナに住んでいた(正確には今も住んでいますが)フランスまたはスペイン系アフリカ人の人々を指しています。当初自活した生活をしており、教養もあり誇り高い人たちでしたが、フランス領ルイジアナがアメリカに併合されるに伴って逆に差別を受け冷遇されてしまった人々でもあります。Jazzを造った人たちでもあり大切な事なのでこれはこれで別に調べて行きたいと思っています。

バンドの演奏は1920年〜のMamie Smithとはまた異なった感じです。Bluesを感じますが、タイトでいいかげんな雰囲気がありません。かといってOriginal Dexieland Jazz Bandの様なドライな感じでもなくテンポも遅め、暖ったかくて良いですね。


2005-09-23 音楽

1890s

1980s これまた古い。1890年代、この世にレコードなるものが現れた頃の録音を集めたものです。レコードと言ってもSP盤のアナログレコードだけでなく、鑞管レコード(ワックス・シリンダーというのが正式名称)の録音が入っています。音はとんでもなく悪いです。(^^;) 何でこんな録音を聴くかというと、この中に世界で最初の黒人男性ブルースシンガーによるBluesが入っているのでした。現存する最古のBluesシンガーは1896年と1902年の録音として2曲残っています。1902年の方は何とシリンダだそうです。。。歌っているのはGeorog Washington Johonsonという奴隷出身のシンガー。「ジョージ・ワシントン・ジョンソン」ですから、なんとも仰々しい名前を付けたものですね。この人、当時かなり人気者だった様で、25000のレコード!(鑞管含む!)を出したと解説にあります。 歌っているのは今で言う処のカントリーブルースでして、明るい、どちらかというとフォークソングに近いものでしょうか。実はこのCDをネットで探している時に、元影のバンマスC★Guy君に「カントリブルースなんて何十年も変わってないのだから古いの聴いても同じだよ」と言われてしまいました。確かに、まるで変わりませんでした。。。。(^^;) まあ〜 ためすけは何でも自分で確かめなければ気が済まないタチなので、本当の事を確認したということで良しとしましょう。

2005-09-24 音楽

RAGTIME

ライブ:つくばSAVOYで本気のラグタイム聴かせてもらいました。演奏は アレェクスェイ・ルミィヤンツェフさんたちです。ラグタイムで歌、というのが最初?だったのですが、演奏の元になっている昔の譜面をちょと見せてもらったら、ラグタイムとは歌も含めての楽曲だったのですね。ラグタイム自体年代は1900年以前に遡ってしまうのですが、1930年あたりのOldJazzあたりまでがレパートリという事で、何と3ステージも。色々聴かせてもらいました。Ma Raineyもあったのがうれしかった。 こちら各方面で幅広く活動されている様です。お勧めします。みなさん何かありましたら是非聴いて上げて下さい。

2005-09-25 楽器

altofl

Alto Flute

写真はAlto Fluteです。あんまり知られてないでしょう。普通のFluteの4度下、G管のFluteです。低音とファットな音色で、大変良い楽器なのですが残念ながら出番がありません。クラシックではよく用いられますが他にはモダン系のJazzまはたPopsで聞く事があります。あまりお目に(お耳に)入れません。音色としてはイギリス・トラッド、ケルト系の様な落ち着いた音楽にも向いています。Paul WinterのWinter Consortでは使われていました。

昔はFluteはすべて木で作られていました。このAltoFluteもかつては木管でした。ルネサンス時代のイギリス音楽ではFluteというとこの木管のAltoの楽器が方が当時ポピュラーであったとの事です。

他にもシブ目のアーバンブルースなどには最適と思うのですが、そういうユニットも無いので吹く機会がないのですね。。。。とりあえず何か自分でユニットを考えるしか無いでしょうかねえ。

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愛宕町私設ライブラリ ['68年に英国のギタリスト、ジョン・レンボーンが「サー・ジョン・アロットなんたら」というエライ長い名前のレコードを作..]

ためすけ [情報ありがとうございます。早速CD購入リストに入れました。音楽としてはやっぱりイギリス系になりますかね。 ]


2005-09-27 音楽

Fletcher Hendersonfletcher

BigBandBoxSetのFletcher Hendersonです。Hendersonは1897年生まれDuke Ellingtonよりちょと年上。Big Bandの始祖はEllingtonと一般に捉えられてますが、BigBandの手法を最初に作ったのは実はHendersonの方だと、もののホンには書いてあります。Benny Goodman が惚れ込んで楽団ではアレンジとピアノを担当したのが有名ですが、残念な事に1954年に亡くなってしまいました。Ellingtonが1974年まで生きたのとえらい違いですね。

このセットは2枚組で録音は1934-1938。ですが実際に収録されているのは1937,1938年が多いです。もしかして一番良い時期だったかもしれません。SwingしているしSweetだし、それでいてBlues感覚のあるアレンジ・演奏が聞けます。Benny Goodman時代のアレンジはどうも白人向けに作られていて持ち味が生かされてないのではないかと思います。

また、この時期がちょうど、AltoにHilton Jefferson(1937) Eddie Barefiled(1938)が参加していた時期で、サウンドの比較に丁度良いのです。通して聞いてみるとこの年代のサウンドはどれも似通っていますので、JeffersonもBarefieldと同じくBuescher使いだったと勝手に解釈する事にしました。(^^)


2005-09-28 音楽

Jelly Roll Morton画像の説明

ジャズピアノの始祖と言われてます。本人もそう主張しています。Jelly Roll Mortonの初期の録音です。

この人もCreoleの出身で、1890年ニューオリンズ生まれで、ニューオリンズの全盛時代(残念ながら録音は残っておりません)を生きた人でもあります。

1923年録音分はすべてピアノソロ、1924年録音からバンドが入ります。ピアノはラグタイムとナンタラBluesという題名のどちらかというとブギウギの先祖に近いのかと思われるスタイルの録音です。バンドの方はKing Oliverと同時代ですが、リードがClarinetとSaxになっているのが違うところ。またBanjoはありません。CDの最後にKing OliverとのDuoがあります。

全体にやはりカチっとした印象があります。King Oliverよりもバランスと構成重視という感じでしょうか。この当時の録音としてはピアノの音がバランス良く聞けてピアノの役割がよく聞き取れます。Saxの音が結構フィーチャーされているのが個人的には気に入ってます。


2005-09-29 音楽

Scott Robinson画像の説明

変わり者SaxプレイヤScott RobinsonのCDです。タイトルはMelody From The Sky、中身は全部 C-Melody Saxで演奏されています。C-Melo Saxは古い楽器しかなくて構造的に操作性も悪いのですが、このCDではその頃の音楽と同時にC-Meloの特性を生かしたモダンなオリジナル曲も収録されています。AltoでもなければTenorでもないこの楽器の音色を「忘れられてしまった音」として、現代でも通用するものだという事を実証したくて作った様です。収録曲の中には以前紹介したFrankie Trumbauerの曲なども含まれています。使っている楽器は写真を見た処ではMartinかまたはHoltonに見えますが、CDの開設を読むともしかすると古いタイプのCONNかもしれません。Buescherでは無いですね。それにしても本当に古Jazzからモダンまで何でも知って、何でもやっちゃう人です。日本には何でこの様に幅の広いプレイヤがいないのでしょうね。日本で幅が広いなどというと、ド演歌からフリージャズまで、とかいう人しかいないのはとても悲しい。

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Roba [That's a cearvtie answer to a difficult question]


2005-09-30 音楽

Ma Rainey 1928

Ma Rainey コンプリートのVol.5 です。ジャケットの写真が無い?載せても良いのですが、あまりにもコワくて、載せるのやめました。歌は聴きたいけど顔はちょっと、、、という典型のシンガーなんですよお。

このシリーズは1928年の録音が入っているのですが、前回のちゃんと(?)したバンド形式よりもバックがジャグバンドだったり、ギタートリオだったりBanjoとDuoだったりします。Vol2.よりずっとシブい演奏ですが、バックに関わらずしっかりBlueなBluesを聴かせてくれます。特にスライドギターとの演奏が良かったのですが、これがTampa Red。実は知らんかった。調べたらその筋では著名なギタリストでした。Rainayはだれとでもやって、その持ち味がちゃんと出ている。本当に歌は良いのですよねー歌は。


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