SAVOYつながりでもあるのですが、JazzレーベルSavoyからBOX版で1949年から1951年までの録音が納められていまうす。このBOXの一曲目が、「Harlem Nocturne」 おなじみエロールハーゲンの曲、日本ではサム・テイラーの演奏が有名ですが(おじさんの間では)、この曲が Rene BlochというAltoの演奏で入ってます。実はこの演奏がすごい。Saxの音が良い。どうも楽器がBuescherくさい(またか)アドリブなど取らずストレートにメロディを吹いているだけなのですが、非常に存在感のある密度の濃い演奏です。特にラストのフラジオがまぁもう完璧。Rene BlochはOtis楽団の一員ではなくこの録音の為にゲストでフィーチャーされたそうですが、この曲のヒットでOtis自身有名になったという曲でもあります。Harlem NoctuneだけはJohnny Otis Show などのベスト版には収録されていますので聞いてみて下さい。
というわけでRene Blochも追跡されるわけですが、結構ナゾな人物で、それはまた後程。
Buescher使いのBarefieldつながりで購入。Count Basie楽団の親分筋にあたる人です。ピアノにBasieも入っています。Twinピアノですね。CDは1923-1934年までの録音が収録されています。カンサスシティJazzの走りの時代です。こんな時代ですが、すでにChicagoやNew Yorkとは違う音楽をやってます。1923年の録音は一曲しかありませんが、この頃すでにKing OliverやJellyrol Motonには見られないBanjoがジャカジャカとリズム刻むというスタイルが取り入れらています。Banjoをエレキに持ち替えたらそのままFunkになるんじゃないかという感じです。カンサスの音楽は他の地方と異なる血筋を持っているなと思えました。
1930年代に入ると演奏が後のBasie楽団のアレンジにかなり似て来てきており、ハーモニーよりもホーンセクションがリズムを強調するスタイルの演奏になっています。Basieそのもの?というより時代から考えてBasieがMotenそのものだったのではないか?
この頃のカンサスシティJazzを「野生的」と評したJazz評論家がいます。実際に、Jump、R&B、R&R、などの原型という感じがあります。
おなじみSweetな音で有名なBuescher使いのJohnny Hodgesおじさんです。クドいベンディングがたまらんという人もいるでしょう。ソロイストとしてもすごい人なのでBigBandやコンボではガンガンにソロしているのですが、ここでは全編バラードばかり。コッテリHodges節を聞かせてくれます。
はっきりってイージーリスニングの典型で、adlib一切無しのメローメローな録音です。ここまで来るともうJazzじゃないよねって感じですが。Hodgesの音そのものを聴くには丁度良いでしょう。
一緒にやっているのが Lawrence WelkとHis Orchestra. これまたムードオーケストラの典型なのですがこのオケのSaxSectionは全部Buescherであると、昔の広告にありました。Lawrenceさんは日本では知られてない人ですがアメリカでは人気者であったと思われます。ドイツ生まれの生粋のドイツ人でアメリカに流れて来てラジオ番組から有名になって行ったという変わった経歴の持ち主です。実際こういうコンセプトの音楽にBuescherの音は最適でもあります。まあちょっとやり過ぎ?という感じはありますが。
Hodgesの楽器はBuescherですが、どのシリーズを使っているかはあまりハッキリしていません。このCDの写真はコンサートか何かのスナップなので、この楽器で録音されたかどうかは不明です。また、この写真、ベル・キーの形状、うっすら見える彫刻から400シリーズのTopHat&Caneの様なのですが、ネックがアンダースラグではないので、普通のTopHatでは無い様です。。。。特注なのかな。これまたナゾです。
なんじゃこれは? これは17−18世紀バロック時代の木管のフルートです。変な書き方ですが、今のFluteの元祖・原型の楽器です。正確にはその時代のフルートを復刻したもので、モーレンハウウェル社の製作のものです。1973年に買ったものですので、まあ30年以上前の楽器ですね。バロック古楽器はピッチが現在ピッチのA=440 の他に 低いA=415,408,392等のバロックピッチがあって低いピッチの方がポピュラーだったのですが、この楽器はモダンに合わせて440です。もちろん木で出来てます。けっこうカビ臭かったりして・・・
高校の時分にこれを使って県の音楽祭でソナタを一曲演ってきました。今ではバロック時代の古楽器なんぞアッッタリ前の世の中ですが、30年前はそんなアレゲなもの誰も見向きもしませんし、知られていませんでした。そんな時代ですがこんな楽器を吹いて遊んでいたのでした。公式の場でこの楽器を演奏した高校生てのは日本で始めてじゃないか?。世界でもウン番目くらいでしょう。昔からトラッド好きだったのですわね、要は。
古楽器の事なぞ知られてない昔、17世紀を舞台にした映画にアップライトピアノと金ピカのフルートが出て来たり平気であったものですが、今そんな映画作ったら大ハジです。
バロック奏法というと、ビブラート無し、音のまん中をふくらませるとかいう奏法でしょうか。あれは旧ブリュッヘン派(今もあるが)がどこぞかの古い文献を引っ張り出して書いてある事をマンマ真似した演奏ですよね。ただでさえダイナミックレンジの小さい古楽器でそんな事したら音程ブレまくり、どう考えてもチェンバロやオルガン、合唱とも整合性がありません。聞いていて船酔いする様な奏法は不自然で、あれは間違いだと考えられます。ブリュッヘンよりも前にバーゼルの人たちが古楽器演奏の復刻・再現を始めてますが、その時はあんな変な演奏はしていなかったんですよ。旧アルヒーフやハルモニアムンディレーベルにその辺りの良い演奏が残っています。
Clarence Williams の1927年の録音。このCDにはJAZZ史上はじめて、Fluteの演奏が入っています。15曲目"Shooting The Pistol"というインストの曲が音源として残っている世界初のJazzFluteソロです。ためすけはネイティブな楽器がFluteですのでこれは押さえなければいけません。
プレイヤはAlbert Socarrasというキューバ人のプレイヤだそうで1908年生まれ、詳しい事は分かっていません。他にもClarenceのレコードで1、2曲入っているものがあるそうで、後年Benny Carter、Erskin Howkinsなどと一緒に活動した事もあります。
ナゾな人のですが、そもそもFluteという楽器は音も小さいし、Jazzの様な音楽では元々使われていません。しかし、南米・ラテン系の音楽では逆にClarinet、Saxと比べてメインの楽器でして、むしろ花形です。(今でもっ!)そういうプレイヤーがJazzの国に紛れ込んできたら、どうなるでしょう?
Clarenceはインディアンとクレオールの混血というちょと珍しい生い立ちの人の様です。見るからに人が良さそうな感じです。その様な生い立ちの、教養もあるし音楽的にも素養があり面倒見の良いClarenceおじさんが、キューバから流れて来たFlute吹きを、誰もやってない事だけどちょっとこいつをフィーチャーしてレコード録ってみようか、入れて作られたのがこの録音なのではないかと、考えています。
Bluesの女王(女帝とも言う)Bessie SmithのコンプリートVol.1 1923年2月-1924年4月の録音が38曲が2枚のCDに納められています。一年ちょとの間に38曲の録音ですから、かなり多いと思います。当時から人気者でもあったのでしょう。
内容はホンモノのBluesです。他に言いようがありません。編成は非常にシンプルで、ピアノのみ、またはピアノにギター、またはCla,Vlnなどオブリガートが入るいくらいの伴奏です。ピアノにはClarence Willams,Fletcher Hendersonが良く入っています。ClaにはFletcherのアレンジ兼AltoのDon Redmanが入ります。テンポは遅めで技巧は無し。ストレートに歌を聴かせてくれます。
Bessieの歌を聴いて特に強く感じる事は、その完璧なBlute Noteの使い方と表現です。Bluesの表現はこのBlue Noteの取り方にあるというのが持論です。長3度の音を半音下げるのがBlute Noteだなんていうのは聴く耳を持たない奴らの便宜上の説明です。そんな機械的なもんじゃないのですよね。Bessieを聴けば分かるのに。この歌がBluesのホンモノのBlue Note感覚なのですが、Jazz屋からしてBlues聴かない、Blue Noteの使い方ができないのだから、まあ今のJazz推して知るべしですよね。
処でWikipediaのブルースの項目にはBessie Smithが重複して載ってます。如何にモノ分かってない連中ばかりいる事か。
■ 愛宕町私設ライブラリ [恐れ入りました!今度伺ったとき、爪の垢など煎じて飲ませて下さいませ! ]
Don Redmanつながりで1928年DonがFletcher Hendersonをやめた後に入ったバンドです。 Cotton Pickers(綿つみ労働者?)とは元々ドラムのBill McKinneyさんが始めたバンドですが、この頃は本人はいなくなって、Don Redmanが実質上のリーダとなっていたそうです。メンバーも流動的で顔ぶれにBenny CarterやColeman Hawkin、Fats Wallerなどの名前が入っています。どうも当時の他バンドと面子がダブっているのではないか?
演奏を聴いて感じたのはやけに明るくて楽しい音楽です。Fletecherの楽団は結構ゲージュツしていますが、こちらはプレイヤが楽しんでやっているという感じの演奏です。親分がDon(本当に)でその周りにプレイヤーが集まって好き勝手にプレイする為に作られたバンドの様な気がしてなりません。活動としては後の秋吉敏子/ルータバキンのリハーサルバンドみたいなコンセプトでやっていたのでは、などと思っています。アレンジに結構Jumpっぽい感じがあります。選曲の中にGee,Babyが入ってますが、もしかして知ってる限り最古の録音かもしれない・・・って作曲はDon Redmanではないかぁ。
結構売れてるみたい。Michael S.Molaskyさんの日本のJazzと関連する文化論。新聞の書評欄で取り上げられているので見た人もいっぱいいるでしょう。日経と毎日で出てましたが他の新聞でも出てるかもしれません。本屋で平積みになってたそうですね。
副題にある様に映画・文学・アングラ文化におけるJazzとの関係、現れ方取り上げられ方を戦後から今に至るまで俯瞰した文化論です。「戦後」という言葉自体がえらーく古臭いものに思えるのは自分だけじゃないでしょう。ちょとタイトルで損をしているかもしれない。いろいろ書いてありますが一番面白い(というか痛快だった)のはいわゆるJazz喫茶の描写と批評です。「暗い店内に入って腰をかけ、腕を組み、首をたらし・・・」という情景をファシズムと評するのは立派です。何しろ自分もその中にいた事があるのと、現在ためすけが一番イミ嫌っている世界なので。筆者はピアノ弾きだそうで、旧Jazz喫茶に対してナマの演奏を聴け、と言っています。それはそれで良いのだけれど、ここで意地悪なツッコミをしておきましょう。
・現在のJazzの特にModern系以降のライブシーンも、結局は旧Jazz喫茶のクラい客のメンタリティの延長線上にあって「腕を組み、首をたらし・・」た音楽がJazzであると信じて疑わない連中によって再現演奏され、そういう連中によって聴かれているという事実を知っているのか?知らないとしたら筆者は現在を見てない事になるし、知っていて言及してないとするとこれはズルい事だ。
・筆者がお勧めするライブシーンにおける「興奮」「猛烈にスウィング」がLive-Jazzのすべてか?この好み自体が筆者が批判するところの「マッチョな」Jazz観ではないのか?
アマゾンから購入。洋書です。1920年代ころからの、Jazz,Rock,PopsにおけるSax,Trumpet,Tromboneの役割と音楽、楽器の歴史・変遷などについて書いてあります。歴代のオールド楽器や昔のメーカの広告等が写真付きで紹介されていて面白いです。誰がどのような楽器を使っていたかも分かります。オススメ。
残念ながら120pageくらいで、Sax,Trumpet,Tromboneの3種類の楽器を取り上げていますのでちょっとーツッコミもの足りないかなぁ。Saxが一番多く取り上げられていまして大体ポイントは押さえてあるのですが、肝心の(?)BuescherがC-Meloの記述ちょとと、機種として400 Top Hat & Caneしか取り上げられてないのは不満ですねぇ。Conn-O-Saxは紹介されていますがBuescherのストレートAltoが無かったりサクセロが無かったりBass SAXが無かったり、、、、やっぱりSaxに特化した「Vintage Sax Book」が欲しいですね。。。。日本にもコアでアレゲなコレクタは大勢いますので日本で編纂しても作れそうな気がしますが。誰かやらんかな。手伝いますよ。
検索リンク→Sax and Brass
New Orleansのボス的Musicianの一人。Cornetプレイヤ。1923-1928年の録音を集めたもの。本当は1916年に初録音するはずだったのが「オレたちの音楽を盗まれてたまるか」とレコーディングを拒否したという伝説が残っています。録音スタジオに入った事は事実らしいのですが、実際の処はよく分かっていません。
クレオール出身で、本人は「ORIGINAL DIXIELAND JAZZ BANDなんかよりオレたちの方がずっと上手い」と言っていたそうです。油井正一さんの話しによればKeppard自身はあんまり吹いてないでバンドのマネージが主な役割(?)だったとかも言われています。また音はやたら大きかったそうな。録音全体ではKeppard一人がCornetで入っている録音は4曲くらいで、あとはCornetが2人編成が多いのでどちらがKeppardが判断が付きません。クレジットを読むと中には演奏メンバーに入ってない録音もあります(^^;)Keppardだけの音を聴くと確かに技術的にすごいとかではないけれど、豪快そうな人柄が感じられます。(ミストーンもあるなぁ・・・)
この時代にしてはSaxの音がよく入ってます。音楽そのものはODJZよりノンビリしてユルいです。単純に陽気という感じですが、この辺が違いでしょうね。
Alto SaxのHilton Jeffersonを追跡して、かつて在籍していた事のあるバンドのCDです。Red Allenは1908年ルイジアナ州生まれ、サッチモより少し年下のトランペット吹きです。スタイルはニューオリンズスタイルですが、生い立ちはお父さんのブラスバンドで10代の頃から吹いていたそうです。こう言っては何ですが、サッチモと比べて生粋のミュージシャン家系の生まれなのですね。Fletcher Henderson,Clarence Williams等とも交流ががありリーダーとしてリリースされたレコードの数ではサッチモより多いんじゃ無いかな・・・もっと着目されてもよさそうな人ですね。
録音は1929-1933年。編成はSax、Brass、3管づつにリズムセクションという昔のJazz Orchestraスタイルです。それで肝心のAltoなのですが、1929-30年は Charlie Holmesという人がやっていて、跳んで1933年からAltoがRussel Procope、次にHilton Jeffersonに代わり、テナーにColeman Hawkinsが入ります。この頃からHawkinsは人気者だったのでしょう。バンド名が"Henry Allen-Coleman Hawkins and THEIR Orchestra"になります。1931-1932年の録音は無い様です。不景気の影響でしょう。
Russel Procopeは後にEllingtonへも参加した人でBuescher使いでもあります。通して聴いても全体にSaxセクションの音は変わらないのですよね、、、同じ楽器なのか奏法や録音の為か。さて。
Charlie HolmesのAltoがいい味出しているので気になりました。サイドマンとしてですが結構あちこちで参加していた人で、これはこれで要チェックです。
伝説のCornet BIX BEIDERBECKの生涯を描いた映画「BIX」とサウンドトラックのCDです。イタリア制作、映画の公開は1992年くらいだったでしょうか。録音は1990年となっています。CDは日本語版で油井正一さんの解説が入ってます。
この映画の良い処は時代考証がよく出来ていまして、Trumbauerの楽器がちゃんとC-Melo(CONNですね、これもちゃんと調べている)を使っていたり、メタルクラリネットやバス・SAXなど当時の演奏の様子をちゃんと映像としても再現している点です。Vintage楽器好きなら見なきゃいけませんね。よく分からなかったのですがBIX役の使っているCornetも当時のビンテージものでしょう。きっと。
サウンドトラックも当時のスタイルを再現した非常に良い演奏を聴かせてくれます。Trumbauerの音はBob Wilberという人が演奏しており、1928年生まれ、おじいちゃんですが、未だ現役のプレイヤです。かなりのCDを出してますので追跡すると面白いと思います。
ナゾのAlto Rene Blochのリーダーアルバムです。リリースは1958年ですから、最近ですね。(^^;)
CDクレジットに書いてる処ではOtisのバンドをやめてから、Charlie Barnet,Harry James,Frankie Carle(この人知らない)らのバンドに参加して、その後、ペレスプラド楽団へ入ってしばらく活動していたそうです。ペレスプラドをやめて独立して録音したのがこのバンドです。
Otisの時もそうでしたが、演奏はすばらしいのですが、バリバリのアドリブプレイヤーではありません。腕の良いセッションプレイヤですが、そういう意味ではJazz Musician扱いされていなかったのでしょう。本人もおそらく血筋か(名前から考えてラテン系?)JazzのSwingよりもCubanの方が良かったと見えます。このCDでもジャンルはLatin Jazzという扱いで本当に陽気な、純サルサミュージックですね。
気になる楽器ですが、ベルキーが楽器向かって右側、キーガードがワイヤーで真っ直ぐにベルの前面で鑞付けされています。このジャケットの写真が正しいとすればここで使われているのはSelmer model 22〜Superシリーズあたりの楽器で、写真の色を信用すればGold Platedではないかと思われます。
■ Santiago [Wow! Talk about a posting knonikcg my socks off!]
Buescherの広告は中々程度の良いのがなくて、これは最近eBayから購入しました、1924年11月29日、サタデーイブニングポストの広告です。 サタデー・イブニング・ポストは1897年にアメリカで創刊された、写真・記事及び小説を主に掲載した中産階級向けの週刊誌だそうです。
載っている楽器はC-Melody-Saxで、タイトルが"The Life of the Party"です。当時のアメリカは禁酒法時代で、酒場などは公には営業出来ません。が、家庭で酒を飲む分には問題は無く、ホームパーティの様なものが非常に盛んであったとの事です。C-Melody-Saxはその様な場には最適で、Buescherは特にそういった用途にかなりの数の楽器を生産していたと考えられます。
当時のBuescher,Connその他管楽器メーカは学校や軍楽隊の需要がありましたので、それらマーケットに対しては広告などは不要だったでしょう。Buescherの1920年代の広告にやたらC-Melody-Saxが多いのはコンシューマ向けのマーケットがC-Melody主体であったのではないかと考えられます。
ただ一つ、変な事がありまして、eBayで出品されているC-Melodyの製番では1925年製造くらいまでが大部分を占め、1926年以降のC-Melodyが殆ど無く、1924-25年あたりからのAltoがこれまた多くなって行くのです。Buescherに限らず他メーカを見てもC-Melody-Saxは1925年あたりを境に生産されなくなってしまった様に見えるのです。大恐慌の前のまだまだ豊でかつ禁酒法も解かれていない時代に、何でC-Melodyの生産が縮小したのか?これはこれでまたナゾであります。
eBayで出ていたBuescherの古い広告に、ここのバンドSaxプレイヤがBuescher使いだという記事があったので探し出して買ってみました。1920年代の白人系のDance Bandでして、Trumbauerの音楽にも通じるものがありますが、クラシックをベースにした現代のムードオーケストラ、popオーケストラの元祖みたいな音楽と考えてよいでしょうか。Allmusicの解説によると"Sweet Music"というジャンルに属するそうです。
編成はSax or Cla 3管にBrass3管、それにTubaの入ったリズムセクションとバイオリンとなっております。実際この様な編成は当時のレストランとかダンスホール等でスタンダードなスタイルであった模様です。Saxセクションはストリングの様に使われて、本当にSweetです。Don Redmanのアレンジに似ていますがビートはキツくありません。演奏の場が違うのでしょう。
創設者のJan Garberさんが亡くなってもこのバンドは現在も続いており、客船のレストランの様な場所を主に活動しているそうです。 リンクはこちら。 写真を見るとメーカーは分かりませんがSaxのベルキーが楽器の向かって右側に付いているので何だかのVintage楽器を使っているのが分かります。
映画"BIX"の音楽担当のSaxプレイヤ。1928年ニューヨーク生まれ。シドニーベシェの弟子だそうです。けっこうなお年ですが未だ現役のプレイヤです。Traumbuer役ではC-Melody-Saxを演奏したくらいですからVintage好き、トラッド好きな人の様です。CDジャケットに写っている楽器も全部Vintageものです。TenorはConnのChuBerryあたりのモデルでしょう。AltoもVintageでFront-F無しモデル。写真が小さくてメーカなど分からないのが残念ですがベルキーが両サイドタイプのモデルなので楽器の年代はすべて1920年代だと判断されます。
CDではここに写っている楽器を全部使って大変気持ちのよいーSwingとバラードを聴かせてくれます。演奏スタイルは古いスタイルでゴリゴリの技を聴かせるものではありません。曲目はスタンダードからWillberのオリジナルまで幅広く取り上げてあり、Vintage楽器の持ち味を大変良く生かした大変良い演奏だと思います。
写真を詳しく見てみると、この角度でライヤーが取り付けてある点から、おそらくBuescher TrueToneではないかと思われます。
Ma Rainey の1926.11月-1927.12月にかけての録音です。このCDジャケットはコワくありません。見られます。(^^;)どうもRaineyの写真って3−4枚くらいしか残ってないみたいで、結構ナゾの人ではあります。この写真も何才くらいの頃なのかも分からないし。
一年間で収録曲が22曲ですから、中々多い方ではないかと思われます。バックの編成も面白く、1926年の録音ではシロホンが入っていたりします。プレイヤは聞いた事ないのでまあ殆ど無名のプレイヤかと思います。他にpianoとのduoの録音、 Georgia BandというunknownプレイヤとKid Ory,Claude Hopkins,Johnny Doddsら、Big Nameとの混成バンドなど、バラエティに富んでいます。ただ、音楽自体はBluesなのでどれ聞いても同じに聞こえる、というのは事実ですが。(笑)
文責:ためすけ後藤
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■ 愛宕町私設ライブラリ [ここまで来たら、ピアノのジェイ・マクシャンについても是非、語ってくだせえ。 ]
■ ためすけ [Mcshanは押さえてありますが、なにぶん1940年代とあたらしいもので、もすこし1930年代を聞いてからまた取り上..]