1956年録音。以前聴いたTeddy Wilsonとの録音と同じくLesterの名盤と呼ばれているものですPres and Teddy THE JAZZ GIANTS そのスジでは非常に有名なアルバムなのですが、、、Dave Gallyの伝記でも当然取り上げれていますが、演奏聴いて思うけれど本当に苦しそうに吹いていて痛々しいのですよね。。。イマジネーションに体が付いて行ってないという感じ。全5曲でアップテンポは"Gigantic Blues"だけで最初のSoloがちょと、その後終わりに長いSoloを聴かせてくれますが力つきた感じ。全体にLesterの良い作品、ではあるけれどこの辺りの録音を名演とか名作とか言って持ち上げるのは無責任または無神経で、そういった論評をする人間は信用できませんな。
Billie Holidayとの録音もある"This Year's Kisses"が入っています。後年のLesterはBillieと録音した曲をSoloで演奏してるものが何曲かありその一曲ですが、こういった演奏を聴くとLesterはBillieや昔の仲間を偲んでいるのだろなぁと考えてしまいます。残された録音は一般聴衆向けではなくて昔の仲間に向けて演奏されているのがLesterの本当の気持ちだと考えています。
Benny Goodman 1935年の1月から7月1日までの、こちらは発売レコード用録音。放送用録音がツアー直前かと思っていたらまだありました。Goodmanのディスコグラフィを調べていたら7/13日が7月最後の録音で、その後が9月にレコーディングがされていますので、これがツアー前最後の録音になるかと思います。放送用録音よりも細かいところで完成度の高い録音だと感じます。個人的にはBenny Goodman and His Orchestraの演奏についてはブレイク前のこの頃がホットというか結構Bluesぽい感じがあって、音楽的にも面白い時期ではないかと考えているのですがどうでしょうね。聴いていて変だったのは7月の録音なのに、ジングルベルを入れている。。。こんな時期にクリスマスナンバーを録音したのかぁ。。なんでだろう。
前々から気になっていたリードの歪みについてメモっておきます。リードが鳴らなくなる(または鳴らない)理由の一つに「リードの歪み」があります。リードは使っているうちに、というか使い始めると同時に歪みが始まります。この事は以前の小幡谷先生の論文にもありましたが
(URLが移動してどっかいっちゃった。とりあえず BLOG)元々葦が乾燥された状態で歪んでいた(細胞の落込み)ものが水で戻されて元に戻る。それと使っているうちに劣化で変形する、の2種類。細胞の落ち込みが戻る事でリードの中央が膨らみリード自体が浮いてしまう。また劣化による変形でそっくりかえって同じく浮いてしまう。
どちらの場合もマウスピースのサイドレールとリードの間にスキ間が出来て息が無駄になり息の力がうまくリードに伝わらずにリードが鳴らなくなります。中々気が付かないかもしれないですが、トレーシングペーパーくらいの薄い紙を差し込んでみると結構浮いているのが分かります。髪の毛程度のスキ間でも口元には息の圧力がかかっているので息が無駄になると考えています。マウスピースを深くくわえて口を締めて強く息を吹き込めばどうになるのですがブリブリ音を出すだけで音程も良くない。リードはできるだけしっかりとテーブルとサイドレールに密着していて欲しい。
劣化による歪みは水分を十分に含ませるとリードがピンとして(生野菜みたいな)ある程度解消できます。酒に浸けると糖分が補われて保水力が増すので長持ちする気がします。中央が膨らんだリードが厄介で、この時はハラの部分を削って平にするしかないのですが、あまり削ると吹奏感が変わるしハラだけ平にしたくてもどうしても全体が薄くなるので問題です。
この場合にはリガチャでしっかり押さえる事でサイドレール部分のスキ間は軽減できます。リードを巻き込む様に締めてレールに押さえつけるのですが、締め付け過ぎると今度はリードの振動が妨げられてしまうというジレンマになります。
この時如何に振動を妨げずにリードを押さえるか?が問題ですが、この時にリードのエッジを集中して押さえて浮きを抑えれば振動を妨げずに済みます。
ではそういうリガチャは?というと、実は普通の正締めのリガチャだったりするのですが、正締めリガチャは形状からリードの押さえる面積が広すぎると思います。最適と思える方式の一つが以前紹介したLybyeLRIIのリングリガチャがその押さえ方をしてくれます。また、ホリデーテナーマンさんのインシュロックリガチャが、リードを縛って締め付ける感じで同じ様な効果があります。結束帯リガチャはかなり力がかかりますが力のかかる部分がリードの横一線の限られた部分なので悪影響が少ないので効果があるのだと思います。
もう一つ効果があるのが、写真の正締めのリガチャを逆締めにして使う事。正締めを逆締めにするとリード全体に密着はしない代わりに、うまい具合にエッジを押さえてくれます。この締め方はオススメです。リードが鳴らない原因の一つに歪みがある事はあまり言われてないみたいですが、私は一番重要なポイントだと思っています。一度試してみて下さい。
文責:ためすけ後藤
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