新刊です。サブタイトル「クラシックの壁をぶち壊せ!!」とあります。まあ内容はクラシック音楽メッタ切りといった本です。おおよその内容は他の著作と同じ処もありますが、他にもいろいろ盛りだくさん。クラシックは難しくない、ドイツ音楽偏重と日本の音楽教育の問題、現代音楽のウソ、音階の話、純正律と邦楽など。新鮮なお話もあります。玉木氏の叔父さんは実はJazzのトランぺッターだったそうな。それもムチャクチャ耳が良かったそうで玉木氏の音感は遺伝みたいですね。ドイツ音楽遍重の話は 巨匠神話と一緒に読むと良く理解出来ます。
また、音階の成り立ちの話は中々興味深いです。グレゴリアンチャントが元である事は確かなのですが、そう簡単にドレミの体系が出来た訳では無い、結構時間をかけて成立して行ったものだそうです。また毎度お馴染みの純正律の話は随所に出て来ます。
前々から気になっている、音階の話と純正律の和音の話は必ず倍音とピタゴラス音階という矛盾した2つをどう整合させるかが問題なはずなのですが、玉木氏を含めてその辺について納得いく説明がされたものがありません。この本でもその辺は曖昧なままです。
それにしてもこれは面白い本なのでお勧め→玉木宏樹
休み明けてしばらくしてようやく落ち着いてきました。連休の方が何かと時間を取られて好きな事ができなかったりするし、その上休み終わると終わったでドタバタして、何となく疲れる日が多いですね。
ところでFatsWallerのBox盤ですが、これは大失敗でした。10枚組なのですがライナーなど無し、CDだけ曲目が書いてあるだけ。
Documentレコードのシリーズにはこういうのがあるのですよね。。。内容はPortrate Vol.2という全集盤で、実は別にBOX盤が出ていてそちらにはライナーも入っているのです。安くてコンパクトで良かったのですが。紙ジャケットには要注意です。
演奏は悪くないのですよね。。。全部は聴いてないけれど。バンド構成の録音が多く、Fats Waller & Rhythmの録音の様でした。Fatsについてはまた別なCDを捜しましょう。
連休中にたまってる未調整楽器の分解掃除をしようと思っていたのですが、全然時間が取れず結局手つかずになってしまった。
以前から気になっていたネックスクリューの欠けたTrueToneがあったので替えのスクリューが何処かないかと思っていたところオークションでイースタンマニアックファクトリーというこれまたアレゲな工房見つけまして問い合わせてみた。CONNなどのパーツもあるそうでBuescherはどうなんだろう。。。。
手持のスクリューを送って調べてもらったりして、どうやらSelmerピッチと同じという感じらしい。マジックスクリューといって純銅製のスクリューで重さでが3種類、音色がそれぞれ異なるのだそうです。好みや楽器の相性で好きな物を選んで下さいとの事で現物送って貰って試してみました。
ところがピッチは合ってる感じなのですが、ストロークが長くて合わないと言う結果が、、、ネックが締まらない。またネックの構造がSelmerと違いネジ位置が本体に近いので重たいタイプだとぶつかってしまってこれまた締まらない。残念ながらお返し。
ここのファクトリーいろいろ親切にして貰いました。他にもいろいろコアなパーツ作っています。手作りだそうで、Selmer,ConnばかりじゃなくってMartinとかBuescherとかもやってくれると嬉しいですね。 Easten Maniac Factory
1994年の映画"RadioLand Murders"邦題が「笑撃生放送・ラジオ殺人事件」・・・邦題はちとあれですが。監督メル・スミス 制作/ストーリー ジョージ・ルーカス
内容はSwing全盛ラジオ全盛の1939年。シカゴにある新興ラジオ局"Radioland"が初めて放送した全国放送の最中に起こった殺人事件と犯人/謎解きをめぐるドタバタを描いたミステリー・コメディ。
何で映画をというと、"Don't Let Your Love Go Wrong"の録音を追跡していて、1934年にHenry Red Allen,Boswell Sisters,他にClaude Hopkins,Nat Gonellaの4グループが吹込んだ後しばらく録音無し、1947年にRed Norvo/Kay Starrの録音があった誰もカバーしてなくて、最後に録音されたのがこの映画の中のシーンだけ、らしいのです。Nat Gonellaなんて聞いた事ないミュージシャンで、これまたレアな人でLouis Armstrongに影響を受けたトランペッターだそうで、これはまた後程。
映画自体はとっても面白い。1939年Swing全盛ラジオ全盛時代の放送局の中の様子が面白おかしく描写されています。番組の間のコマーシャルのシーンとか笑っちゃいます。時代考証も結構正確な様でBigBandの楽器の数を当時の編成に合わせて揃えたりしていました。配役にクリストファーロイド、ローズマリークルーニー等いい役者出てます。"Don't Let Your Love Go Wrong"の演奏は女性3人組で ANDREWS SISTERSあたりがモデルか。いかにもCab Callowayみたいなシンガーが出て来てクレジットにもCalloway役と載ってたり、そういえば1939年はCallowayはChicagoにいたっけな。。。。色々シャレが利いていて、Swingイディオムたっぷりの映画で古Jazz好きにはたまりません。DVD化されてないのが残念です。コメディーではありますが、タイトルの"Radioland Murders"の意味は引っ掛けになっていまして、なるほど1939年というのはそういう時代でもあったかと改めて考えさせる内容になっています。機会があったら観てみて下さい。中古しか手に入りませんが→ラジオ殺人事件
19日水戸ペーパームーン こちら 。今日20日、10:45am 松戸伊勢丹前広場で、 盲導犬を普及させる会 のチャリティーイベント。そんなわけでここ一週間はドタバタと過ぎて行きました。
それにしてもインターバル24時間を切る2連発は疲れました。水戸はAORのユニット、松戸はLos Tembas de la Rumba まるで違う事している。これがまた疲れを誘います。(^^;)
松戸は野外ですが今日は風が強くFluteを向かい風の中で吹くのはかなりつらい。。。。というか物理的に音でませんよね。
AORは音楽の傾向から考えてFluteとYamahaのSopranoだけの参加でした。五指で余る程度の回数のリハで本番はかなり乱暴だったけれど、その割にはうまく行ったか。当たり前ですがはやりモダン楽器は機動性が高い。
Nat King Coleの録音。こちら国内盤です。"and his TRIO"とありまして、Nat King ColeのPiano,VocalにレギュラーメンバJohn Collins - Gt,Charlie Harris - bass,Lee Young - dr のセクションに一人づつSoloistを迎えてのセッションとなっています。1956年の録音でこれまた著名なアルバム。
何でこれを買ったかと、ジャケット写真見ての通り、TRIOのメンバの他に楽器が並んでいるのです。参加しているSoloistがJack Costanzo - conga,Harry Edison - Tp , Willie Smith - alto sax , Juan Tizol - Tbone , Stuff Smith - violin となっていまして、写真は無いけれど代わりに楽器を並べているというわけ。並んでいる楽器がどうやら本人の使っている楽器らしい。ウソじゃないと思います。例えばTboneはライナにも"valve trombone"を記載されており、写真もvalve式が写っています。いいかげんな写真ではないと考えられます。
それでWillieの楽器は何なの?という話が以前あって、ネット調べた処どうも最初はConnで後にSelmer BAあたりだった様です。このジャケットの写真も分かりづらいのですが拡大して見たところ、バタフライ型のベルキーモデルで、これはおおよそ1920年-30年初頭のモデル、G#キーの形状がおぼろげながら分かりまして、この形はBuescherではありません。Connだと思われます。Willieは"Just You, Just Me","You're Lookin' At Me","Don't Let It Go To Your Head"の3曲を吹込んでいますが、音が微妙に違いますね。同じ日の録音なのに面白いです。
こちら日本盤。2003年リリース。Johnny Hodges and his Orchetraの名前で出ています。Ellington楽団のピックアップメンバによる1954年の録音です。大体リズム+3管くらいの編成で、オーケストラとライナーにありますが、録音の日付については結構ナゾが多い様で、1954年の7月と8月の2回に分けて録音されていたらしいです。選曲は非常にオーソドックス・ストレートなBlues/Swingです。どちらかというとEllington楽団の演奏はヒネリを利かせたアレンジが多く、スレートな音楽はあまり聴けなかったりしますが。Hodgesの他ではClaのJimmy Hamiltonがいい味出しています。
ライナーによると、なんとJohn Coltraneの名前が入っているのですが、どうも何処で入っているのか不明?だそうで。"Sweet as Bear Meat"に入っているそうですが、良く聴こえません。
最後にバラードがメドレーでライナーには6曲載っていますが、CDでは実際7曲(All of Me)収録されています。これも別なシリーズでは6曲だったのが後で切り離されたとか、7曲目の方が別に録音されて編集されているのだとか、いろいろ説あります。バラードではHodgesが全然吹かない曲もあったりして。何かと面白いアルバムです。
面白いというと、ジャケットの写真が、また変です。左右が逆になっている。鏡に映ったところを写真に撮ったのか、写真の間違いなのかそれともデザイン上の理由でひっくり返したのか。。。。どうなのでしょう。写っている楽器はBuescher Aristocrat BigBモデルです。BigBがこの録音使われているのかは不明ですが、実はこのCDで聴けるHodgsesの音は、あのドSweetなサウンドではなく、もう少し太いやや男性的な音色なのですね。HodgesはBuescherのBigB,400 Top Hat Cane,普通のAristocrat,等を使い分けていた様で、確かにHodgesだぁとすぐに分かってしまう音色ですが、音楽によって使い分けていた様でもあります。
珍しくClassicから。いつもお世話になっていますNAXOSのシリーズ。NAXOSのwwwを見ると分かりますがJazzよりもClassicのレーベルなのですね。それもレアシリーズ専門。。。
これはVivaldiのフルート協奏曲集作品10 フルート吹きには超有名な作品集です。全曲演奏しても50分程度でLP一枚に納まってしまうので大概のフルーティストは全曲盤をリリースしています。このNAXOSの珍しいのは演奏に当時の楽器構成に忠実に現代のベーム管ではなく、BlockFlaut、TravelsoFlautを用いている事。OP-10の譜面を見れば分かるのですが、大体がフラット系の曲でしかも音域が最低音がFとかで、 これはどう見てもF管の縦笛を対象にした作品集だろうということは一目瞭然なのです。演奏はダニエル・ロテルトという若手のガーナ人のプレイヤです。
1曲目F-dur 副題「海の嵐」ベーム管で吹いても結構難曲なのですがこれまた縦笛でやるともっとスゴい事に。。。
この曲を初めて聴いたのは中学生の時。親父のレコード棚から殆ど聴いてなかったみたいなレコードを引っ張り出してかけてみたのですが、びっくり。何に驚いたかって「音階だけで出来ている!」第一楽章のメインモチーフはただのスケールの繰り返しなのですね。これは目からウロコだった。当時音楽の構造は複雑怪奇なものと思っていたのが実は単純なスケールでも作れるという事を知った分けで、この事は後に自分でJazz/Improvisationを始めるきっかけにもなった曲です。
2曲目G-minor 副題「夜」コンツェルトというより小組曲みたいな曲ですが、これを縦笛で演奏するとまさに”夜”の情景が非常に良く表現されている事がわかります。現代のベーム管でこの曲を吹いても音色が派手なだけでちっとも夜ぽくなかったのが、作者の意図した本来の音楽となります。モダンフルートでこの曲を演奏するのは大ウソだと思われます。
3曲目D-dur 副題「ごしきひわ」これはSopranino Block Fluteで演奏されます。モダン演奏でもPiccoloが使われる時もある様ですが、Sopranioが一番合ってるかなと思います。ただ2楽章もSopraninoを使っていますが、そもそも一曲同じ楽器で通さなければならない事は全く無くて、楽章によって楽器を持ち替えても構わないはず。ここは通常のAltoを使う方が音楽的は良いんでないかと思われました。
4曲目 G-dur 副題無し。この曲だけTravelso。あまり知られてないですが木管のtravelsoとViolinの音色って非常によく解け合っていい響きを作ります。Travelsoの音色は柔らか過ぎで、音のヌケでは縦笛の方が抜けて来るので弦楽をバックする独奏にはTravelsoはあまり適さないと思うのですが、この曲ではその音色の融合と柔らかい音色の対比がこの曲の持ち味なのだろうなと感じられます。
バックも中々と感じたのは明らかに弦が抜けてトリオでFluteのSoloになる部分ではチェンバロにリュートストップをかけて音色を押さえる演奏をしています。元の譜面に指定があったのか?演奏上の工夫なのか?それにしても念入りで効果的な音作りをしています。
オリジナルの楽器にこだわるのには基本的に「楽器が変われば音楽の目的・表現が変わる」という考えがあります。その辺を踏まえて音楽を聴きたいわけです。そしてこの考えはバロックだけではなくJazzにも当てはまりまるというわけです。
よーーやく、手に入った。charanga情報を捜して徘徊していた時に見つけたCDです。ソースはこちら→レビュー 。 何でも一枚だけリリースされた珍しいCD
1987年録音なので、それなりに古いです。以前Amazonで見かけていつかオーダーしようと思っているうちに品切れとなってしまって、あわててあちこち捜して、HMVでオーダー出して2ヶ月待たされた。。。いまとなってはレア・アルバムとなってしまった様です。
編成はCharangaでSalsa以前の音楽を意識しているものと思います。バンド名がSon なので、SalsaではなくSonをやってるんだぞう、という感じ。
興味を持ったのはFluteのDave Valentinが入っている事。ValentinはGRPのアーティストですがこのCDのために特別にフィーチャーされたそうな。Valentinの演奏見事!です。Pachecoより上です。
GRPから出ているValentinのソロ・アルバムは何枚かあるのですが、結構退屈だったりするんですよね。。。このCDはそういう感じがありません。正統派のラテン音楽なので歌あり、リズムあり、Violinもあり、と決して何かのソロアルバムではないわけですが、それでも各々楽器の特性は十分に生かされているし、十分に堪能出来ます。Valentinの演奏は生き生きして、出番はやや少ないけれど、何かこっちの方が良い演奏なのじゃないかと思ってしまいます。
Fluteって楽器は確かに主役は取れるけれど表現の幅がそんなに広いわけじゃない。。。自分でやっていてそう思う。「目立つ脇役」の様な存在で、音楽の中では他をサポートしたり引き立たせたりして、存在価値があるという楽器の気がするのですよ。その辺が根本的にSaxやTpetと違うところ。その性格もあってBop,HardBop等には向かないだろうな。でもこの様なスタイルの音楽には本当にマッチしていると思うわけです。Valentinの演奏もアレンジ的には半分は自由なアドリブ/オブリガート、と半分はリズムのキメ・補強、という役割で演奏されています。ただ何処までがアドリブで何処からがアレンジなのかは中々区別が付きづらいです。
それと非常に気になる点、Valentinの音がどーしても金属のベーム管ではなく、木管の楽器を使っている様に聴こえます。でもValentinが木管の楽器を持った写真て見た事ないのですね。。。木管でもベーム管の木管なのか、または5Keyのトラディショナル・モデルのなのかもナゾ。これは追々調べていかねば。
文責:ためすけ後藤
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■ Lakeisha [Thanks for sharing. Always good to find a real erxpet.]