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OldなJazzのルーズな日々


2007-03-01 音楽

BON BON , The Three Keysbonbon

よく分からないでTowerRecordsの店頭で買ってきました。確かBluesのコーナーだったと思う。Buster SmithやEddie Durhamなどの名前が入っているので何だろうと思って買ったのですが。

George Tunnell、通称"Bon Bon"、Piano兼Vocalの Vocal Trio/Soloの録音でした。"Three Keys"というのがトリオ名です。何でもGeorge Tunnellは黒人としてははじめてWhiteバンドで歌ったシンガーの一人だそうです。allmusicにもあまり情報がありません。1903年生まれ、1930年代始めVocalのグループで活動その後1937年からJan Savittのバンドのレギュラーとして活動したそうで当時としては大変珍しい事ですが。1940年代終わりまで活動して引退、1975年亡くなったそうで結構ナゾな人。

このCDの録音は年代が1933-34年と飛んで1941-42年があって、前半1930年代はトリオで、Piano,Guiter,Bassを各々弾きながら歌っています。後半1940年代ではバンド構成で"His Buddies"という名義でTunnellのソロボーカルになります。このメンバーにBuster Smith等が入ってきているという事。1930年代はゴスペル風な感じもありますが、リズムはBoogie Woogie風で小気味の良い歌と演奏です。1940年代は当時のSweetな感じのSlowナンバで、コーラスは30年代だけに聴けます。音楽としては30年代の方が良いですね。"Mood Indigo","Basin Street Blues","Heebie Jeebies"など選曲も良い。この辺りの音楽をリズムを変えて楽器を現代のものに置き換えるとDoo Wapになるんではないかな。


2007-03-04 音楽

Clarence Williams 1927-1928 clarence

こちら石丸を歩いて見つけた。丁度無い時期のClarenceでした。

1927-1928年の間は中々興味深い時期であります。1927年のセッションにはCla,Alto でBuster Baileyが、Tenorで Coleman Hawkinsが参加しています。1928年から レギュラーのCornet Ed Allenに加えてKing Oliverが入ります。King Oliverとしては殆ど再後期の録音になるので。

他のシリーズでも聴けますがEd AllenのCornetは良いです。1927年のKing Oliverが入っていない録音と1928年以降の音を聴くとEdとOliverの音の違いが分かります。Edの音はフレーズも流れるスタイルで良く歌うスタイルでOliverはコルネットの割に音が強くEdに比べるとトランペットの様な音です。

1928年の録音にはJapes P JohnsonのピアノとClarenceの歌、などというトラックもあります。結構バラエティに富んでいますが、特に気に入っているのは1927年のNew Orleansスタイルの演奏で、Cornet,Cla,Tenor,TBoneの各々が対位法的に重なりながら唄う演奏は見事です。この伝統的なNew OrleasスタイルはLouis Armstrongはこの時代に「棄てて」異なる方向性で活動を始めていたわけですが、Clarenceやその周辺はコード進行やフレージングなどに新しい方法を取り入れつつCollective Improvisationな音楽を続けていたというわけです。

他には世界最初のJazz Fluteの Albert Socarrasが入っています。今回はClaとAltoだけですが。ライナーにはSocarrasを含めたメンバの古い写真が載っていました。こう並んで写っているのを見るとそれぞれ顔つきが違うものですね。一番左端がSocarrasです。Cuba出身だそうで、写真でも何となく他のメンバーと違った雰囲気がありますね。

clarence2

2007-03-09 道具

LAN-MIDI Interface lanmidi

ここしばらくは珍しく開発なんぞを行っていました。作っていたのはLAN経由でMIDI機器のコントロールする環境。LANとMIDIを連結するデバイスってありそうで無い様でして、技術的にはそんな難しくないはずなのですが先ずは試しにやってみようというわけ。

Etherコネクタ付きの1チップCPUは無いかと捜した処で最初Rabbit、というデバイスを試しましたが、こいつはRS232cの信号を取り出すのがちょと面倒な上にSW/Etherのネゴシエーションに失敗している様で10Base/Tでの通信になってしまってコケまくり、で、機能は高いのでまた別な機会ににします。次にスタンダードな処でH8,とかPICも考えたのだけれど部品点数が多いのでこれもとりあえず後でー。XPortがよさげとの話なので入手。

XPortは簡単にデバイスにつなげられて本当に使いよいですー。ただMIDIの31.25kbpsは作れないので、38.4kbpsで通信をさせてみました。TCPでダイレクトにアクセス出来る事は確認したので、次に如何にリアルタイムコントロールするかが課題となります。昔のDiskからゴソゴソとFreeBSDでMIDIシーケンスをした時に作ったソースを引っ張り出して来て、MIDIシリアル通信をSocket通信に置き換えてスタンダードMIDIファイルのPlaybackerを作って試した。要はSocketプログラミングとハードの連携がポイントなのです。

結果は結構いけそう。問題はTCP接続の遅延だと思われますが、さすがにwww.midi.co.jpからルータRTX1000を一段通してプレイさせると音落ちヨタりかなりあります。が、同じネットワーク内でSWを6段くらい介した環境では問題なくリアルタイムプレイができた模様です。同じネットワークと言っても間に外向けサーバが何台もある環境なので意外と優秀かと思われた。

今回のデバイスはXPort03で、デフォルトの機能のみの応用でこれくらい行ければ上位機種のXPort-ARを使ってチューンするなどをすればかなり応用は利くと見ました。次はARを使う事、もう一度Rabbitでの通信を試すなどやってみたいと思います。最近出た本、興味のある方参考資料→XPORTこちらは Rabbit


2007-03-11 音楽

Washboard Story washboard

Jazz Archiveシリーズのオムニバス版。Washboardの入った音源を年代ごとに集めてあります。1926〜1939年と10年以上になりますがこの間のWashboardの扱われ方の変遷がよく分かる編集になっています。1920年代の音源については手持のCDと何曲かダブっていました。お気に入りのJohnny DoodsのシカゴでのトリオとClarence Williamsの楽団の演奏が紹介されています。珍しいのは1929年の同じくJohnny Doodsの楽団Beale Street Washboard BandでDrumのBaby DoddsがWashboardを弾いています。1929年辺りのDoodsは絶版で中々手に入らなかったのでこれは良かった。

録音はその後1930、1931、1932年と飛んで1938年と1939年が納められています。

Alabama Washboard Stompers,Chicago Stompers,Washboard Rhythm Kings,Washboard Sam And His Washboard Bandといった名前が並んでいます。1932年のWashboard Rhythm Kingsは編成にAltoSaxが入ってNew Orleans風ですが同時にDodds以降の録音にはKazooが入ったりして古いミンストレルショーみたいでもあります。

1935年あたりのSwingブレイクの時期はどうだったのか?Clarence Williamsは1930年代終わりでもWashboardを加えたbandをやっていたりしますが、それと比べると1938-39年のWashboard Sam And His Washboard BandなどはさらにBluesで、音楽的にはむしろ1926年のDoddsの方が洗練されている感じがあります。このCDを通して聴くと後年の音楽の方が田舎臭くなって、一般には1939年のWashboard Samあたりがオリジナルと考えられているかと思いますが、これは誤解ではないかと考えられます。歴史的に見てWashboardはNew OrleansスタイルのJazz/Bluesは真っ当な楽器としてそれなりに扱われていたものが、現代に近くなる程、単なる民族楽器としてしか見られなくなってしまったと言えます。これは残念な事です。単にBeatを刻むという意味では真っ当なパーカッションだし、DoddsやClarenceを聴けば立派なアンサンブル楽器として位置付けされていた事は確かなのですが。


2007-03-15 道具

Rabbitその後 rabbit

開発の仕事を始めると他の事する時間が無くなりますねえ。pingコケまくりのRabbitジャンプスタートキットですが、これは付属コンパイラのライブラリバージョンの古過ぎが原因でした。付属CDROMのversionは10.0.5 で現行10.0.9よりえらい古い。評価キットなのになんでこんなんが入っているのだ。DynamicCの開発元からupgradeをダウンロードして再度試しました。今回はOKです。お使いの方はお気を付け下さい。(って、そういう人このDiaryは見てないか)

新版ではサンプルもさらに増えています。高機能でしてかなり高度な事ができそう。ネットワークやシリアル通信のテストをやりましたけれど、MIDIをコントロールしようとしたところ評価ボードのコネクタからはこのままでは信号が出せませんでした。どうしてもケーブルの自作が必要な様です。最近半田コテを握ってないしコネクタなどのパーツも手近にないのですぐに作れない・・・ちとクヤシいです。こちら RABBIT


2007-03-18 楽器

True Tone Tenor Repare repare

来週日曜日に「大勢ホーンズ」というバンドのライブに参加する事になって、めずらしく譜面をさらっています。大勢ホーンズはSaxだけのBigBand、みたいなもの。ちゃんと譜面のある音楽はここしばらくやってないので久々であります。さらっているとあちこちで音が出損なって難儀をしました。Bluesばかりやっていると出し易い音しか出さなくて良いので気にもしなかったけど、さすがにこれは困る。リードやマウスピースの問題でもなさそうでとりあずリークライトで見たらかなりバランスガタガタ・・・とはいえ本番来週だから水戸/新大久保、寄ってる時間無いし、しょうがないので自分で調整しました。SAXリペアマニュアルはあるので何となくやり方は知ってるつもり。セロハンテープでコルクの高さを調節したりしてどーにかバランスは取れた様子です。見た目悪いけど。最後に調整出したのは昨年の8月頃なのでまあバランス崩れて当然か。Oldなので元々バランス崩れやすいですから注意しましょう。

こちら おおぜいプロジェクトの主宰者


2007-03-22 音楽

Louis Jordan 1941-1944 jordan

Louis JordanのBox盤2枚目です。1941年から1944年。Vol.1と何か違うかと実は音楽的には根本的に変わっていません。レコーディングの日付を見ると1941年1月から14トラック 1942年が5トラック 1943年3トラック、1944年3月までで4トラックとなっています。珍しいのはレコードストライキ中なのに録音が続いている事。レコードストライキは正確には1942年8月1日から始まりますが、1943年10月に一部レーベルでユニオン側と和解してストライキが解除されます。この一部レーベルに当時のDeccaが含まれています。

面白い事で、Jordanの録音の日付では1942年7月21日にレコーディング、その次の年1943年10月4日。ストライキ直線まで録音、解除後すぐに録音とかなり積極的に活動していますね。Jordanは"King Of Jukebox"などと呼ばれていましたから、レコード会社としては放っておけなかったのではないかな。ヒット曲"Five Guys Named Moe"はこの1942年ストライキ直前7月の録音、次のヒット"Ration Blues"はストライキ解除直後です。

実際にはこの時期は戦争の時期とも重なります。この間Jordanは黒人としては珍しく戦時慰問活動やV-Diskでも録音をしている様です。またこの辺りから映像も残っていましてCDの解説には"Follow the Boys"というフィルムの写真が載っていました。どうもこれも戦時慰問用の娯楽フィルムだった様ですが、

1942年-43年の間は予算的な理由か、それまで入っていたサイドのTenorが含まれませんで、本当に初期の5人だけで演奏しています。JordanはAlto/Tenorを持ち替えながら同時に唄って、アレンジもアンサンブルも完璧、たった5人の演奏でここまで出来るのか本当にお見事。またTenorも良いのですよ。

1941年の後半からTrumpetがEddie Toaneに替わり、1943年からドラムがオリジナルのWalter MartinからRossiere Wilsonという人に替わりその後1944年にまたWilmor Jonesという人に替わります。また1944年あたりからAltoの音色が少々変わる様で、あのAltoのグロウルサウンドが多くなってます。スタイルがスタンダードなBenny Carterスタイルからホンカー的スタイルに変わっていますので、この頃に使っている楽器が変わった様な感じを受けます。


2007-03-26 音楽

大勢ホーンズ fukuro

昨晩は大井町で「大勢ホーンズ」ライブでした。この編成でのライブは2回目だそうで、今回はゲスト等含めて総勢20余名。20人以上だけど正確には何人だったっけ?というステージでした。詳細こちら。これに類する編成は前に100人BigBandとかあった様ですが吹奏楽系の金管バンドやSaxオーケストラはありますがこの編成でJazzやるのは他に例を見ないですね。とにかくド迫力。圧巻。多過ぎてチューニングの時間が取れなかったというのはご愛嬌ですが、聞く価値ありますよー。大井町のライブハウスはステージいっぱい、ギチギチで対バンとの入換えも通勤ラッシュ並みでした。一応Fluteを持っていって、ソロは持替などと考えていたけれど、そんな悠長な事言ってられませんで結局Tenorで通した次第です。(そんなわけで途中でコード進行勘違いして一部見失ったのは聴く人なら分かってしまうか)

それにしてもちゃんと譜面でさらう音楽は勉強になります。主宰者の河口さんお世話になりました。何でも今後100人まで増やす予定だそうなので。。。大勢ホーンズ。主宰のSax教室→ Areia Sax Council

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かわぐちみちこ [まあ、私がお礼メールを送る前にすばやい!! 慌しい中、本当に本当にありがとうございました。 正直、今後も、いつも・・..]

ためすけ [お疲れ様でした。まあ、あれだけ大人数率いるのも大変ですよね。BigBandより数多いものね。これからもがむばって下さ..]

Yakubu [That's what we've all been waiting for! Great poistng!]


2007-03-28 音楽

右近茂 Ukon At Ease ukon

地元ライブハウスで話題になってます。Tenor,Claの右近茂さん。なんと、つくばにお住まいだって、これはスゴイ事だ。昨年TXの開通に伴ってお引っ越しだったそうで、お仕事ではTXで通っているそうで大変そうですね。こちらでSax教室やってもらえないかなぁ、などと期待してしまいます。

ストレートアヘッドなTenorで楽器はOld CONN 、この間楽器見せてもらいましたらM20万番台のシリーズで彫刻が特殊なNew Wonder "Artist"モデルの様でした。良く似たSaxPicsのモデル写真→New Wonder Artist ともかくナマでCONNで正統派のスタイルの音楽が聴けるなんて本当に希有な事であります。Jazz聴くならこういう人を聴かなくちゃねえ。WWWサイト

残念ながら右近さんのリーダアルバムはまだ一枚しか無い。あとはサイドの録音が何枚かある様です。右近茂

このアルバム通して聴いて、思った事。曲毎に音色が違う・・・単に録音の日付の違いによるのものか、またはレコーディングの処理よるものか、よく分かりませんです。あきらかにエフェクトのかかり具合は曲によって異なっているので変に音に細工されていたりするといやですが、どうなんでしょう。

それとクレジットには11曲となっていますが、実際12曲入っていまして「Harlem Nocturne」が収録されています。が、このトラック最初1分25秒が無音で、カウントから入ってイントロで間違ってやり直していいるという何かよく分からないMakingなトラックです。これはこれで面白い。

ところで写真が・・・

25日大勢ホーンズの写真が、録ってもらったのでupしておきます。ブレてよく分からないところが良いですね。w)

horns
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右近茂 [おこんばんわ!ためすけさん!たどり着いてしまいました。先日はどうもでした。つくばでサックス教室をやる予定です。とりあ..]

ためすけ [これはこれは。直接にありがとうございます。またお店遊びいらして下さい。よろしくお願いいたします。 ]


2007-03-29 楽器

画像の説明 画像の説明

Louis Jordanの楽器

Box盤2枚目、"Louis Jordan 1941-1944"のライナーにあった写真で、ショートムービー"Follow The Boys"のワンシーンです。Jordanの持っている楽器を良ーく見るとこれはNeckの形状などからBuescherのC-Melodyっぽいです。1943年の戦争中のおそらく戦時慰問用の娯楽映画らしいのですが、C-Melodyというのは面白いです。JordanはSax,Reed系の楽器は何でも演奏するので当然C-Melodyもやったでしょうが、映画の中で何をしているのか興味あるところです。映像どこかにないか、捜してみます。


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