Louis JordanのBox盤2枚目です。1941年から1944年。Vol.1と何か違うかと実は音楽的には根本的に変わっていません。レコーディングの日付を見ると1941年1月から14トラック 1942年が5トラック 1943年3トラック、1944年3月までで4トラックとなっています。珍しいのはレコードストライキ中なのに録音が続いている事。レコードストライキは正確には1942年8月1日から始まりますが、1943年10月に一部レーベルでユニオン側と和解してストライキが解除されます。この一部レーベルに当時のDeccaが含まれています。
面白い事で、Jordanの録音の日付では1942年7月21日にレコーディング、その次の年1943年10月4日。ストライキ直線まで録音、解除後すぐに録音とかなり積極的に活動していますね。Jordanは"King Of Jukebox"などと呼ばれていましたから、レコード会社としては放っておけなかったのではないかな。ヒット曲"Five Guys Named Moe"はこの1942年ストライキ直前7月の録音、次のヒット"Ration Blues"はストライキ解除直後です。
実際にはこの時期は戦争の時期とも重なります。この間Jordanは黒人としては珍しく戦時慰問活動やV-Diskでも録音をしている様です。またこの辺りから映像も残っていましてCDの解説には"Follow the Boys"というフィルムの写真が載っていました。どうもこれも戦時慰問用の娯楽フィルムだった様ですが、
1942年-43年の間は予算的な理由か、それまで入っていたサイドのTenorが含まれませんで、本当に初期の5人だけで演奏しています。JordanはAlto/Tenorを持ち替えながら同時に唄って、アレンジもアンサンブルも完璧、たった5人の演奏でここまで出来るのか本当にお見事。またTenorも良いのですよ。
1941年の後半からTrumpetがEddie Toaneに替わり、1943年からドラムがオリジナルのWalter MartinからRossiere Wilsonという人に替わりその後1944年にまたWilmor Jonesという人に替わります。また1944年あたりからAltoの音色が少々変わる様で、あのAltoのグロウルサウンドが多くなってます。スタイルがスタンダードなBenny Carterスタイルからホンカー的スタイルに変わっていますので、この頃に使っている楽器が変わった様な感じを受けます。
文責:ためすけ後藤
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