ClassicsシリーズのFrankie Trumbauerとしては最後になります。1936年から46年ですから10年間、期間的に長くSwing全盛から戦後にかけての時期なのでどんな演奏を残しているのだろうと考えてしまいますが、実際は1936年4トラック、飛んで1940年が17トラック、また飛んで1946年が3トラックです。Trumbauerは1936年あたりまでは継続して活動していた様ですが、この1936年の録音の後、もう一つの仕事である軍パイロットの仕事で活動を休止していたそうです。1936年はSwing時代ですが、Jack Teagarden,Charlie Tegarden,Artie ShowといったSwingのMusicianと古いNewOrleans/Chicago Jazz風の録音を中編成のバンドで残しています。Ain't Misbehavin'がTeagardenのvacalが入ってとても良いです。
1940年は17トラックもあるのですが、なんと2日の間に録音されたものだそうです。この年の演奏はBigBand編成に近い録音と中編成(10人)の2種類ありますが、SwingのスタイルからSweet,Boogie WoogieからNew Orleansなど古いスタイルなど多彩な演奏が残されています。また、選曲に行進曲をアレンジしたものが何曲かあり、時代を感じさせます。
全体にはBig Band編成でありながらアレンジがあまりSwingぽく無かったり、C-Melodyがリードを取っているというのは聴いていて大変面白いです。C-Meldyの演奏は相変わらず冴えていまして、特に"No Retard"の演奏は1940年という時代では非常にコンテンポラリで当時のParkerよりも前衛的なMonkの様なフレーズを聴かせてくれます。これはmodernな人も聴いておくべきです。
1946年は3/25録音ですが、終戦直後という感じでしょうか。You Took Advantage Of Me,Between The Devil And The Deep Blue Sea,China Boy,の3トラックですがsweetな感じのSlowナンバとSwingです。この頃になれば録音は状態も良いしサウンド/音楽ともに「今風」でそのまま普通のJazzに聴こえる演奏です。この録音がTrumbauerリーダーの最後になります。この後少数のセッションを除いて現役を退きます。1920年代Oldの時代からSwing時代の終わりまで継続して活動したMusicianの総集編という感じもあると思います。1940年の17曲は2日間という短いレコーディングですが、何といっても第二次世界大戦開戦直後です。軍関連の仕事もしていたTrumbauerとしてはこれが最後と覚悟を決めたある限りのアイデアとプレイを込めたセッションになっていると感じます。同時にC-Melody Saxの特性が生かされた、色々な要素が盛り込まれた大変興味深いアルバムだと思います。お勧め→Frankie Trumbauer
文責:ためすけ後藤
[マイ・ストア]
[ Amazon Jazz ]
[ JUMP-Blues ]
[]
[]