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OldなJazzのルーズな日々


2007-06-12 音楽

Englishman In New York - STING sting

AORのユニットを始めて、なんでJazz/Bluesの奴がAORなんてやっているのか、などと聞かれる様になりました。自分的にはこのジャンル・・・というかこの周辺の音楽の作りについては全く違和感ないのですが、その辺りについてメモしておきます。

知ってる人は知ってるし知らない人は知らない、というかわざと無視されていると思われる事に、ずっと以前からJazzMusicianはPopsやRock系のサイドマンとしてよく参加しています。AORなどという名称もいつからそんなに呼ばれる様になったのか分からんのですが、要はAmerican Popsの音楽がひとまとめに後から付けられた名称の様で、例えばビリー・ジョエルの録音のフィル・ウッズなど、脇役だけれどとても良い味出しています。今回のユニットの選曲でもマイケルフランクスにはデビット・サンボーンが、他のアーティストにもアーニーワッツやトム・スコット(だと思うおそらく)等が参加して音楽作りに役立っているわけです。

これら音楽をよーく聴けば、ほんの脇役でも音楽全体として重要な要素であるし、ほんの少しのJazz/Blues的エッセンスがなければ全体でつまらない音楽になってしまう事はちょと聴いていれば分かる事でしょう。もしアーニーワッツのテナーの替わりにギラギラのロックギターが入ってきても役に立たないであろう事は一目瞭然です。ただ、これらの音源では間奏やオブリガートなどほんの少し演奏しかなく、Jazzのソロアルバムと比べたら非常に物足りないもので「聴く価値無しと」Jazz屋には判断されているシロモノでもあります。

もう20年前のアルバムですが、Sting"...NOTHING LIKE THE SUN"から"Englishman In New York"を聴いた時には「これだっ」と思いましたね。Stingの淡々とした唄に、背景に演奏されるブランフォード・マルサリスのソプラノの音は邪魔する事無く、かつ唄を引き立てて唄の意味まで同時に表現してしまうという演奏です。この曲自体、Jazz/BluesのエッセンスとCollective Improvisationの要素無しには成り立ちません。

総合的に見てJazz/Bluesの特性を生かした音楽は何処にでも汎用的に有り得て、逆に、Englishman...の様なCollectiveな要素を持った音楽は今の「いわゆるJAZZ」の中に存在出来なくなっているのが現状です。Jazzの特長を生かせる音楽が今のJazzの中に無くなってしまっているわけです。その様なわけでAORを演る事には全く抵抗なく、むしろ自分的には喜んでJazzの特性の生かせる「いわゆるJazzでは無い」音楽をやって行きたいわけです。

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