New Orleans Rhythm Kings は多くの文献で登場する白人のJazzBandですが、Original Dixielnad Jazz Bandとは異なり黒人の音楽性をより強く取り入れたバンドして最初のバンドと伝えられています。レコーディング史上で本当に初のMixedBandとしてJelly Roll Mortonが参加したという歴史も持ちます。中心となるのはNew Orleans生まれのPaul Mares(cnet) Leon Roppolo(Cla)とトロンボーンのGeorge Bruniesの2人で、編成はおおよそCnet,Tbone,Cla,SaxのセクションにBanjoを入れた4rhythmの組み合わせです。Original Dixielnad Jazz Bandより多いですが、編成としては先の"Breaking out of New Orleans"に登場するバンドに近いのですが、本当はこのくらいの編成が当時一般的だったのでは無いかと思われるわけです。
このセットはCD2枚組で1922-1925年と飛んで1935年、Rhythm Kingsの前身のFriars Sociaty Orchestraから1935年のリバイバルされたPaul Mares and His Friars Society Orchestra の録音が納められています。録音場所が1922-23年はRichmond、1925年がNew Orleans。1935年はChicago。1923年の録音にPiano Jelly Roll Mortonがよく入ります。DrumにはBen Pollackの名前もよく登場します。Pollackのルーツはこの辺にあったわけで、道理でただのSweet Musicianではないわけでした。
音楽的にはODJBよりもややテンポも遅め、ややタイトさには欠けますがそのユルい感じが黒っぽいです。当然New OrleansですのでシカケもありますがCollective Improvisationの色が強いです。この辺の書籍によればOriginal Dixielnad Jazz Bandは本当のImprovistionではなく、実はフレーズは記憶していて、さもアドリブの様に演奏していたのだという話がありまして(それはそれですごいけど)確かにそれに比べると確かにImprovisationの要素が強いという事が分かります。1935年のリバイバル時になるとCollectiveな面よりもSoloを聴かせる性格が強くなり緊張感が出て来ます。これも時代の流れか・・・
個人的にはSaxがフィーチャーされたナンバが気に入っています。TenorではなくC Melodyもよく使われています。SaxがClaと同等に良く絡むし、良く歌うので聴いていて気持ち良いです。C-Melodyを使う時にも楽器の特性が良く生かされています。この辺のスタイルのSaxはSwing時代でも聴けない優雅さがあってヨイですね。時代的にはLouis ArmstrongのHot Fiveあたりに重なるわけですが、全体にのどかでLouisの音楽の方がむしろキビしく感じるくらいです。またユルくなってもBlues的に泥臭くなるのではなくその中に優雅さが出るというのは白人的か、、しかし昔のNewOrleansの時代背景から考えて明るくて「豊かさ」があったはずなのでこういう音楽の性格はJazzとしても場違いではなく本来あるはずの音楽だったと考えられるわけです。
文責:ためすけ後藤
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