Lu Watters/Yaerba Buena Jazz Bandは1941年からNew OrleansスタイルのJazzを始めて、New Orleansリバイバルのムーブメントを起した人です。何でLu Wattersを聴きたかったかというと、現在巷でDixieland Jazzといわれている音楽がどうも20年代のNew Orleans系の音楽と違う。これは何でか?を知りたいというのがその理由です。このリバイバルブームは丁度Bopの始まる時期にも当たりましてBop対Old Jazzの大論争に発展したいきさつもあります。
それでYerba Buenaですが、ライナーこのCDの録音リリースされたレコードではなくプライベート録音?の様な感じです。リリースの日付データがありません。色々なバンド名/編成で
先ず1937年の録音が2トラック(Panama,Wolverine Blues)ありますが、この録音は後のYaerba Buenaのメンバによる最初のDixilandスタイルの録音だそうで、バンド名などはないらしいです。メンバにはVincent Doston(cn),Truk Murphy(tb),Bob Helm(cl),Walter Claudius(p),Dick Lammi(tub),Gordon Edwards(dr)という名前がリストされています。まだLu Wattersは含まれていません。
次に1938-39年の録音が9トラックありまして、これは"Lu Watters Sweets Ballroom Orchestar"となっています。油井正一著ではYaerba Buenaのリーダ格Lu Wattersがアマチュアの様な書き方がされていますが、実際は地方の専業バンドマンですね。名前から言ってまさに当時ありがちなSweet Musicのバンドなのです。編成は2Tp,Tb,2reeds,p,bj,bass,dr と少しい大きく、メンバに最初の録音メンバのBob Helm、Gordon Edwards、の名前があります。実際にこの楽団の録音を聴くと当時から普通のSweetとNew Orleansのスタイルの音楽の両方の混ぜこぜにやっていた様です。音楽的にはClarinetのBob Helmの存在が大きいと思われます。
Lu Wattersはこのいささか無節操とも思えるバンドを経て、メンバや編成を変えながらSweetから離れてDixieland Jazzをやる様になったと思われます。三年間くらいの短い期間ですが1941年あたりにスタイルが定まって、この時期からいわゆる「San Francisco Jazz」が始まったという事らしいです。
聴いて面白いと感じたのは、まだこの頃の録音では意外にBluesな演奏と今聴く処の「ディキシーランドジャズ」的な音楽と混じっています。この辺がディズニーランドのFirehouse Five plus Towあたりにつながるのか?これらがどう変遷して行くのかはLu Wattersを聴いて行くと分かるのでしょう。
このCDの終わり3トラックはなんとBunk Johnsonです。Bunk Johnsonのリバイルバンドは1942年ですが、この演奏はBunk Johnsonの他は全員白人でYaerba Buenaのメンバが参加して録音を残しています。録音の年代は記載されているのですが、St. Louis Bluesなどやっていてこれは興味深い録音でした。プライベート録音の様で音を間違ったりバランスが悪かったりするのですが演奏的には聴いていて感じの良い演奏です。
全体に感じる事はこの時代の演奏は確かに手探りで白人的かもしれないけれど非常に素直に、リラックスして演奏しているという感じがします。ジャズの歴史、Swingの時代などの資料を読んだ処では、New Orlenasリバイバルは下火になったSwingJazzに対して興ったBopが面白くないので対向する意味でメディアが担ぎ出したという感じがするのですが。。。。なまじメディアに主導されたために逆にこのムーブメントがNew Orleansのスタイルを固定化して「スクエア」なものにしてしまったのではないかと考える次第です。
文責:ためすけ後藤
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