Coleman Hawkinsの1943年12月から1944年2月にかけての録音。戦争中で、確かまだ録音禁止令が完全に解かれたかどうか、の時代ではなかったかと思います。録音レーベルが1943.Dec.4 Commodore,1943.Dec.8 ,Signature,1943.Dec.18 Brunswick(LP),1943.Dec.23 Signature,1944.Jan.31 Keynote,1944.Feb.16 Apollo、 と、録音日が何日も違わないのにてんでバラバラという吹き込み状況です。何か当時のMusicianの苦労が偲ばれますね。。。
面白いのは、レーベルによって編成も違いますが、同時に音楽のスタイルもこれまたバラバラなのです。ベースがOscar Pettifordで殆ど変わらないのに。1943.Dec 4,8 は非常に正当なSwingでフレージングはホンカー流のスタイル、1943.Dec.18 はTenor&Guiterのクインテットですが全体に長いソロを重視したどうもLester Youngのスタイルの真似ぽい。その数日後の1943.Dec.23は本当にLesterの奏法をわざと真似してるとしか思えない録音が混ってます。1944.Jan.31の録音はRoy EldridgeのTPetが入っているのですが両者が通して絡むCollective Improvisationのスタイルを取っています。この録音はHawkinsの音にLesterぽい奏法が多くて好かんのですが2人のアドリブがすばらしいのでベストな録音かと思います。
1944.FebになるとDizzy Gillespieを含めた3Brass,4SaxのOrchestraですが古いSwingではなくモダン色の強い音楽になってます。短い期間によくもまあこれだけスタイル変えるよなぁと感心すると同時に聴いていて痛々しいと感じるのはこの頃は景気も悪かったろうし、好きな音楽を好きに様に出来る時代ではなく、何だかの「作為」をMusicianに求める風潮に変わって来たのではないかと考えられる事です。
文責:ためすけ後藤
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