10年以上前になります。ジャケットを見てビックリして買ってしまいました。
何がビックリしたかというとこのジャケットに写っているFlute。ここに写っているのは19世紀の古典派時代のFluteでして、現在のキーメカニズムに改良される以前の古楽器なのです。時代的にはバロック時代と現代フルートの中間辺りの楽器です。それがラテンコーナにあったのでビックリしたのでした。
買ったあと色々調べて分かったのですが、ラテン系の音楽ではFluteがいろいろ活躍します。同じラテンといってもキューバ系、ブラジル系、等々えらい違いがあるのですが、このFluteを持った人はJohnny Pachecoというキューバ系サルサバンドの大御所だったのですね。(ドミニカ出身ですが)キューバ音楽を遡って調べるとトラディショナルなキューバ音楽はチャランガというVln,Flute,Tp,Piano,Bass,Perc.からなる編成の音楽で、このCDもそのチャランガでした。ラテン音楽は好きだったのですが、これまで単純にサルサバンドと思っていたものが実はチャランガであった事に気が付いた次第です。
Fluteが重要な位置を占めるチャランガですが、どういうわけでか、使われている楽器は伝統的にこの19世紀モデルのFluteだったのですね。歴代のFlutistの写真など見ると持っている楽器がこの古典Fluteばかりだったりします。名称もCharanga Fluteという扱いで現在でも専用の楽器として扱われていました。
しかしこのFlute、音量も小さく、キーメカニズムから起動性の高い楽器ではありません。実際に音楽を聴いてみると高音域(殆ど最高域)を使ってリズムやメロディを補強する様な使い方がされています。さすがに最近のラテン、サルサでは現代フルートを使いますが、それにしてもこのタイプの楽器がそのままの形で現代まで使われ続けていたという理由がナゾであります。
文責:ためすけ後藤
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