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OldなJazzのルーズな日々


2013-05-01 マイクプリ

サブミニチュア管マイクプリアンプ

真空管マイクで録音してみた処中々感じが良いのでマイクプリアンプも自作してみようと考えました。マイクプリアンプのオペアンプ版は一回自作して使っているので、今度は真空管を使ったもの、それも高性能と言われている(?)サブミニチュア管を使ったプリアンプを作りたくしばらく情報収集/設計などを行っていました。サブミニチュア管を使った理由は他にもコンパクトに出来る事、電源電圧を比較的低く設計出来る事などです。

真空管マイクプリの参考回路はネットで公開されているのですが、凡そビンテージ回路とモダン回路では傾向が違っている様で、最近の自作例ではSRPPを使ったり、プロ製品ではオペアンプとのハイブリッドが主流です。いわゆる安価なマイクプリもありますがそれらもオペアンプ増幅プラス終段に真空管を通して色付けするという方式が殆どでした。

とりあえずはマイクのヘッドアンプとして働く物を作ってみようと考え、回路としてはオールドスタイルで試してみました。三極管による二段増幅+NFBというビンテージ回路では定番となっている一番オーソドックスなスタイルを取ります。サブミニチュア管はいろいろ物色して何種類か入手しています。ここでは金田式アンプなどで有名な6111を使ってみます。

ミキサーのライン入力はインピーダンスは10KΩが標準ですが、10Kの負荷は結構真空管にはキツいので昔の機器は必ずアウトプットトランスを使用しています。真空管だけでゲインを稼ぐのも難しいのでマイクインプットはトランスを使う事にしましたが部品点数も減らしたいのでLTSpiceでいろいろ試してエミッタフォロアへ直接というやや強引な設計をしてみました。

電源も問題になる処です。12VのDC電源から6Vと180Vを作る事にして、DC/DCコンバータを2つ組み合わせています。6.3Vは秋月低損失可変レギュレータPQ20RX11を使って、180Vはアメリカのニキシー管製品を作っているガレージメーカー(?)からebayでオーダしました。

http://www.tayloredge.com/storefront/SmartNixie/PSU/index.html

最初リップルが結構出ましたが周波数が高いので1.2K+100μFのフィルタで実用上十分なレベルまで除去できました。マイクインプットトランスはJensenなどが良いのですが試しにサンスイのST75(600:10KΩ)を使ってみる事にします。回路図ではトランスの出力を信号源としてあります。

micpre schematic

初期の設計から電源の選択/実装/試験まで半年近くかかってしまいましたがバラックですが一応形になったので録音テストしてみました。ファンタム電源まで作れなかったので、マイクは別に改造した Seide VT2000 を使っています。真空管アンプの歪み率はオペアンプ利用比べたら2ケタくらい悪いのですがビンテージプリもそんなものですし、先ずはテナーの音がいい感じに取れれば良いかと思います。

micpre

サンプルでは2コーラス吹いてますが、1コーラス目はプリのゲインを上げてやや歪みが多い条件で、2コーラス目はプリゲインは下げミキサーで10dB程度持ち上げて歪みを減らした条件で録っています。自分としてはプリのゲインを上げた方が音的には面白い音になっていると思います。このままでも結構実用になる感じではありますが次回はインプットトランスを替えて、出力バッファをオペアンプにして試してみたいと思います。 PreTest01.aif

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