学生の時ジャズ喫茶で読んで、その後文庫で買いました。何度か改訂・再販されていたと思います。New Orlenasから現代までJazzの歴史、こぼれ話など、沢山沢山。油井正一氏は大正生まれ、Swing時代からのOldJazzをリアルタイムに聴いていた人で、さらに1990年代まで生きた人で勲章も受けた。まあ話題の豊富な事。学生の時分はModernあたりの話題しか分からなかったので全部は読んでなかったけれど、その後文庫で買ってから何回も読み返しています。
全部を理解するには相当なレコード聴いてないといけないのですが、この本が出た頃1960-80年代はOldJazzの復刻もそれほどあったとは考えられないし、輸入盤は高いしレコード等は手に入りづらかったのではないかとも思うのです。前半Swing時代あたりまでの話を裏付けるCDは今でも国内盤は殆ど無い様で、ただの昔話としてしか理解されないだろうと思われます。この時代の音源を聴きながら読むと本当に「生きている」感じがするのですが。
それで、中の記述にLouis ArmstrongのHot Five時代の録音に触れている箇所があり、そこにはLouisの音楽では「当時のNewOrleansの過剰な即興演奏に対して」新しいスタイルをというようが書いてあります。しかし、どー聴いてもKing Oliver,Freddie Keppart,Jellyroll Morton、何処にも過剰なImprovisationなど聴こえてきません。King Oliverは確かにごちゃごちゃしていますが、統制は取れてます。Mamie Smithの初期の録音にはそういのもありますが多くはボードビルのアレンジされた歌ものです。本当かいな?と思っていたのですが、それが後に”Breaking Out Of New Orlenans”のシリーズを聴いて本当だと分かりました。本当に音数が多い。。。しかし、これは考えてみると、Hot Five「みたいじゃない音楽」が実はNativeなNew Orleansスタイルなのだという事を逆に証明しているという事でもありますね。それにしても油井さんは何故、Louis等と別スタイルの音源を示さなかったのかな。
他にもはBix Biderbeckの大大ファンでコルネット/トランペットは大変よく聴いているのですが、Sax系についてはあまり記述ありません。Trumbauerの話しもちょとしか無いし、Old Jazzを聴いていれば気になるであろう事も話題に載らなかったりするのは結構ナゾです。他の著作も良く読んで比較したいと思います。
文責:ためすけ後藤
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