Breaking Out Of New Orleans の3枚目。時代はまたちょと遡って1922年〜1926年になります。
収録されているのは、Kid Ory's Sunshine Band , Fate Marables's Society Syncopators , Erskine Tate's Vendrome Orchestra , Cook's Dreamland Orchestra、といった楽団。
珍しいのは Kid Oryの楽団で、1922年録音。これはLog Angelsです、Kid OryなのだからNew Orleansかというと、Vocalがメインに入ったボードビルの音楽みたいな演奏とNew Orlenansスタイルのインストの演奏が入っています。シリーズ2枚目の"Piron's New Orleans Orchestra"の様に当時からスタイルの違う音楽をやっていた、おそらく目的によって使い分けていたのではないかと思われます。この"Kid Ory's Sunshine Band"についてはredhotのサイトにも解説が無い様で、検索かけたら こんなサイト がありまして、記録によるとOriginal Dixieland Jass Bandの録音の後、King Oliverの1923年録音の間に録音された最古の正統NewOrleansスタイルの録音であったみたいです。
もっと面白いのは、Fate Marables's Society Syncopators、1924年NewOrleansの録音ですが、 redhotのサイト にもある様に2曲しか録音の残ってない楽団です。何故か写真等の記録はあって、ジャケットの写真はこの楽団です。12人というにぎやかな編成です。NewOrleansスタイルというよりRagtime的ではありますが、かつてLouisArmstrong、Johnny Dodds、Baby Dodds, 、 Johnny St. Cyr などが参加していたというご先祖みたいな楽団です。
他にErskine Tate's Vendrome Orchestra , Cook's Dreamland Orchestra、の2つの楽団の録音が収録されていますが、これはFreddie Keppardの録音と同じものです。ただ元盤が良かったのか音はこちらのシリーズの方が良いです。
2-3枚目を聴いて感じる処では、一口にNewOrlenasといってもいくつかのスタイルがある事と、一人のプレイヤーでも同時にいくつかのスタイルで演奏活動を行っていたという事でしょう。まあキライな音楽はやらなかったでしょうが、結構芸風は多彩であったというのが事実かもしれません。いずれにしても当時のスタイルそのままというのは殆ど残って無いので耳を傾ける価値はあると考えます。
文責:ためすけ後藤
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