トップ «前の日記(2006-10-28) 最新 次の日記(2006-10-31)» 編集

OldなJazzのルーズな日々


2006-10-29 音楽

Andy Kirk and his Twelve Coulds Of Joy andykirk

以前紹介した Kansas City Legends の中で気持ち良いSwingを聴かせてくれたAndy Kirkの楽団です。1920年代から1950年年代まで活動していたので興味のある処なのですが、中々古い時代のが手に入りませんでした。これは1929年から1930年の録音。ジャケットの写真は"Eleven Clouds Of Joy"になってまして右に移っているのがPianoのMerry Lou Williamsで、後からElevenに参加してTwelveになりました。

録音の時期が面白いです。1929年の11月が9トラック、Kansas City、1930年4..12月で15トラック、こちらChicago。1930年の録音はフルメンバ以外に小コンボやPianoのソロなども含まれますが、不況の真っただ中にしては結構録音多かったのではないかと思います。

Kansas City Legendsの中では1937-8年とSwing全盛時代の録音でややWildな黒っぽいSwingでしたが、こちらはもっとNativeなKansas Jazzの様です。編成が12人と大きくなっていますが、ホーンアレンジなどはアバウトで、本当に12人必要か?というサウンドです。その代わりにソロ回しが多いです。頭数揃えてますがみんなでソロ・メロディ回して、その他はバッキングばかりという人数の割に音楽的にはあまり工夫の無いスタイルでした。

Ross Russellの書籍や油井正一さんの話その他でKansasではソロイストの腕試しが盛んで、などの記述があるのですが、Motenや古いBesie聴いてもそんなカケらも聴けないので本当かいなと思っていたのですが、このAndy Kirkの演奏を聴くとあながちウソでもないらしい。ただし、ソロが多いのはアレンジやリハにかけるコストを削るための方便ではないかなという疑問もありまする。

ただ、一つ言える事。バンド全体でもPianoの役割は大きいのですが、同時にMerry Lou のピアノはこの時代にしてはコンテンポラリです。コード進行やリズムのパターン等かなりの工夫を聴く事が出来ます。景気の良い1920年代後半の音源資料が少ないのと逸話の多くが1930年代に入ってからの話が多いので、丸ごと信じるわけにもいかないのですが、KansasのMusicianたちが個人技を追求していたという根拠にはある程度なるかもしれません。

お名前:
E-mail:
コメント:

2005|08|09|10|11|12|
2006|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2010|01|02|03|04|05|06|08|10|11|12|
2011|07|08|11|12|
2012|02|06|07|10|
2013|05|

文責:ためすけ後藤 [マイ・ストア] [ Amazon Jazz ] [ JUMP-Blues ]
[] []