CD多過ぎて、聴き尽くしたわけではないのだけれど、現時点でのまとめ。
レコードのビジネスというものが立ち上がったのは1900年初頭くらい、その後レコード産業(主にSPの円盤レコード)は拡大して行き、1920年代アメリカではAfrican-American向けのレコードマーケットがブレイクして非常に多くのBlues/Jazz(その他色々)のレコードがリリースされました。当時のそれらAfrican-American向けにリリースされたレコードを"Race Records"と呼びます。その下地としては当時のボードビルショーやJazz/Bluesバンドの人気と経済的にゆとりのある白人以外の階層があった事、があります。
"Race Records"という呼び名からしてやや差別的はありますが、大きなマーケットとして存在した事は事実で、歌だけでも最初のBlues Singer, Mamie SmithやMa Rainey,Bessie Smith,Luccile Hegamin,Luccile Bogan,,,他にNew OrleanasJazz、Pre-Swingなどなど到底聴ききれない数と種類のレコードがありました。このブームは1929年の大恐慌によって突然消え去ってしまうわけです。
それでBluesの発祥ですが、1920年代当初の特に歌を中心に聴いて行った処では、本当にBluesと思われるMa Rainey,Bessie Smithと同じ唱法のシンガーはそれ程沢山はいなかった様だ。。。とにかくレコードの数が多いのでCDとしては持っていないけれど断片はwebのサイトで聴く事ができます。参考サイト→ www.redhotjazz.com
CDを聴いたところではMamie Smithの歌はBluesと呼ばれながら歌唱法は非常にストレートです。Lucille Hegaminも同じで初期の録音は良く聴くと楽団の演奏を含めてBlueNoteが殆ど使われないくらいでした。Luccile Boganは手元のCDはMa Raineyみたいな歌ですが、初期1923年の録音がredhotjazzにあります。同じくストーレートで歌い方が違う(!)唱法が変わったのは後年からです。
これから考えられる事。1920年の段階で同じAfrican-Americanな音楽の中でも種々のスタイルが個々に確立していた。地方によって違いがあるでしょうがただでさえ広い国で移動の手段も限られる時代、それがRace Recordsというメディアのブレークによって再度混じって行った、という経緯があったと思われます。ただ恐慌のため新しいスタイルや音楽の可能性は一時期(おそらく一番面白い時代に)断ち切られてしまった、と考えるわけです。
当時の録音を聴いみて感じる事。例えば1927年のMa Raineyの楽団とFletcher Henderson楽団の演奏の差、Raineyの楽団のユルい事・・・何となく演奏も入れてみましたぁといういい加減な感じ。それでもレコードが出た売れたというのはそれだけ豊かな時代であったと同時にメディアが未発達な為ヨコのつながり、ヨコとの比較もあまりなされなかったのだと考えられるわけです。もし恐慌が無くてそのままRace Recordsの時代が続いたら?何かもっと違った、楽しく、かつ完成度の高い音楽とスタイルが出来たのはないかなあと思う次第です。
文責:ためすけ後藤
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